「一瞬で相手をオトす洗脳術」(苫米地英人)

***

Amazonプライム会員のサービスの一つに、一月毎に1冊だけkindle書籍が無料で読めるので、それを利用して読んだものです。
この前読んだ本と同じ著者の人のもの。
48ページしか無いのですぐ読めます。
内容は「洗脳」を扱ったもので、洗脳をするための情報である一方、洗脳の手法を知っておくことで自分が洗脳されることへの対策にしようという狙いもあるようです。
一つ一つの章に書かれている情報は面白いけれど、本全体としてのつながりが分かりづらいなと言う印象。

人は、現実世界を正確に認識しているのではなくて、人それぞれ認識している世界(内部表現)は異なる。その人の認識している世界が、その人にとっては現実世界である。だから、その認識している世界に手を加えることが出来れば、その人にとっての世界を変えることができる。それが洗脳という考え方らしい。

個人的に面白かった情報は、チベット密教のツォンカパが提唱した「空観」の話と、トラウマ治療法のEMDRで患者にセラピストの指先を目で追ってもらう理由。

「空観」は、無でもなく有でもなく空の思想。目の前にある机も何もない空間も、無でも有でもなく空である。それが中観思想ということらしい。そして、中観論でいえば、意味は状況の中に存在するのであって、単語の中には存在しない。この考え方には納得しました。同じ単語であっても使われる状況によって表す意味が変わってくるのです。なので、言葉だけでは不十分で、状況すべてが分かって初めてその言葉の意味がわかる。逆に言うと釈迦の立場にならないと釈迦の言葉はわからない。相手の立場にならないと相手の言葉はわからない。

もう一つのトラウマ治療法のEMDRで患者にセラピストの指先を目で追ってもらう理由について。催眠術でよく見かける、糸から吊り下げた五円玉が横に揺れるのを目で追うというものにもイメージ的に近い内容です。REM睡眠の時には、海馬が働いて夢を見ながら記憶を整理している。それに付随して眼球がよく動いているのは、活発に働いている海馬の近くに眼球を動かす部位もあるから。これを逆に利用して、眼球を動かすことによって、海馬が働きやすくなる状態を作ろうという考え方が、患者に指先を目で追ってもらうという手法につながっているらしいです。本の中では、この後に、自分の目を使って相手の目を動かす方法が紹介されていました。


最近はどことなく怪しい内容の本ばかり読んでいるような気がします。
Amazonプライムのサービスで読めるもの自体が怪しいものかしょうもないものが多いのでしょうがないですね。その二択だったら怪しい方を選んでしまうでしょう。
ただ、最近は宗教系の話には興味が出てきたので、そういうものは今後も読んでいるかもしれないです。大昔から現在も進行形で宗教が世の中に存在し、大きな影響を与えていることや、今の日本の大多数が無宗教であることとか気になりますし。
あとは、小説もまた読もうかな。