ほぼ日の絵本。
「生きているのはなぜだろう。」(作 池谷裕二 / 絵 田島光二)

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絵本という形式だけれども、教授の方が伝えたい内容を文字にし、映画などのコンセプトアートを描いている方が絵に起こしたという、大人向けの絵本。

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テーマも、「生きているのはなぜだろう。」という壮大なもの。
最初は小学生の少年が教室にいる場面から始まるけれども、「秩序」というキーワードが出てきて、宇宙の始まりと終わりまでという規模で、生きている理由が描かれていく。
大きな秩序を早く無くすために小さな秩序が生まれるパラドックス。散逸構造。
人間の社会とか生活とかの視点と比べたら遥かに大きい視点で見ているのがすごく、途中の絵も子供には怖いだろうものがあって、怖いの質がホラーではなく「宇宙怖い」系だと思う。
それでも、自分は、新しい見方が得られて意外とスッキリした気持ちで読み終えられた。また、絵本のあとのあとがきの説明も興味深かった。

難しいコンセプトをここまでシンプルに絵本という形で伝えられるのもすごいなと思う。そのため、ここには色々書いたけれど、内容については、この絵本を読むのが一番わかりやすいと思う。

個人的に思ったのが、人がものづくりをするのも、実は秩序を生み出して大きな秩序を老化させるためなんじゃないかということ。無生物よりも生き物のほうが効率的に秩序を老化できる秩序で、新しい秩序を生み出せる秩序というのもさらに秩序の老化に貢献する存在なんじゃないかなという。