絵本作家の五味太郎さんが子どもからの質問に答えるという形式の本。
初版は1991年で、自分が読んだ改装版は2006年。出版されたのはけっこう前だけど、今の子どもたちの環境にも改善されずに残っているなという問題ばかりだった。
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こどもからの質問なので、学校とか教育などに関することが多い。
さらに、「名前を変えるにはこういう手続が必要」のように実際にその質問を解決するための手順を具体的に答えている項目も多かった。
あとがきにある
自分で考え、自分で悩み、自分でしかり、自分をはげまし、そして自分を可愛がってゆくしかないのです。そのために、けっこうきつい問題でもなんとかこなせる〈じょうぶな頭〉と、好きは好き、嫌いは嫌いとはっきりわかる〈かしこい体〉が必要なんだろうと思います。
は本のタイトルにもしている部分。
本書の全体として、
教育は平均化・標準化を目指しているけれども、本当は子どもそれぞれの個性を活かしたほうが良い。
勉強は自分の得意なこと、好きなこと、苦手なこと、嫌いなことを見つけるためのもの。
子どもを思い通りにしようと指導する大人も気の毒だし、その指導を受ける子どもも気の毒。
というのが印象に残った。