「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」(中島 聡)
オススメされたので読んでみたもの。
Windows95を開発したというプログラマが書いた、「ロケットスタート時間術」の本。
自分のように、「ある程度自由に時間を使える反面、自分で締め切りを切ったり作業の計画を立てる必要がある」そんな働き方の人には参考になる考え方が載っている。
著者の自慢話しもだいぶあるので、そこには囚われすぎないで読んだほうがよい。
以下、自分なりのまとめ。

***

「ラストスパート志向」ではなく「ロケットスタート志向」


仕事が締め切りに間に合わないのは、日本人に「ラストスパート志向」が多いから。これくらいで終わるだろうという予測をし、ギリギリになって始めて、実際には予測よりも時間がかかるから徹夜しても終わらないor完成度の低いままでの提出になってしまう。
「ラストスパート志向」ではなく「ロケットスタート志向」に切り替える。
最初の2割の時間に、全力を出して作業の8割を終わらせる。残った8割の時間は流しで、残り2割の完成度を高める。これなら作業時間の予測があわなかった場合の誤差にも対応できる。

「2:8」の法則


上記で説明した、「最初の2割の時間に、全力を出して作業の8割を終わらせる。残った8割の時間は流しで、残り2割の完成度を高める。」というもの。最初の2割の時間には、別のタスクは絶対に入れない(メール返信とか電話応対とか人に話しかけられるとかもしない)で、その作業にだけ集中する。徹夜をするとしたらこのノッている時期らしい。そして、残りの8割の時間は流しで、別のタスクをしながらで良いので残りの2割の完成度を高める。

最初の2割で予測の精度を上げる


作業がいつまでに終わるか、その予測にはズレがある(大抵は遅れるほうに)。最初の2割で全力をだして作業の8割を終えることで、締め切りに遅れそうか間に合いそうかの予測の精度は格段に上がる。
また、作業の前に決定される締め切りは仮のものと考えておき、最初の2割で締め切りに間に合うかどうかを測る。

締め切りは延ばしていい


これは結構大事な考え方だなと思った部分。
最初に締め切りを与えられ、その2割の時間で全力を出し、8割の完成度に達しなかった場合には、締め切りを延ばしてもらうこと。締め切りギリギリになって締め切りを延ばしてもらうと迷惑になるが、早めの段階なら迷惑にはならない。
また、最初の2割の時間の全力は、残り8割の時間までずっと続けられるものではない。残りの8割は流しで作業をするための時間なので、それを加味した上で締め切りを再設定する。

心理的な「余裕(スラック)」が重要


締め切りギリギリの余裕のない状態では、作業の効率や完成度が下がる。余裕を作ることが効率をよくしたり、完成度を上げること、ひらめきや良いアイディアにつながる。
流しの8割の時間は余裕を持った状態でいるための時間でもある。
また、流しの時間の時に、次の仕事の準備や情報集めもちょっとずつやったり。

作業が邪魔されない時間帯


全力で集中する(最初の2割の時間)のために、作業が邪魔されない状況を作る必要がある。その時間帯というのが、朝の時間。著者は4時から6時半が手中のゴールデンタイムらしい。朝ならメールや電話は来ないし、人に話しかけられることもない。6時半から家族が起きてくるから6時半までということらしい。
この例は著者だからこそだが、似たような考え方で自身の「作業が邪魔されない時間帯」を見つけられると思う。そして、大抵は朝の時間帯が良さそう。

一日の中でもロケットスタート


ロケットスタートや2:8の法則は、例えば10日の締め切りだったら2日間は完全に引きこもってその作業をするという考え方である。
その場合、最初の2日は完全に自由に使えるが、長期間のものの場合は、最初の2割が2週間などになる場合もある。また、残りの8割の時間の使い方についても同様に、「一日の中でのロケットスタート」が有効になる。
考え方は2:8の法則と一緒で、1日の仕事の8割を、朝の2割の時間で全力で集中して行うこと。そして、午後からは流して別のタスクやメール、電話などをしながら、仕事残りの2割をやるということ。

一日を分けて使う


複数のタスクを抱えている場合には、一日を分けて使う。朝はA、午前中はB、午後3時まではC、午後6時まではD、のような感じで。その中でもロケットスタートの考えに乗っ取り、最初の1時間に全力を出し、残りの時間は流す。

一日の中の締め切り


締め切りというか、区切り。著者の場合は、朝、家族が起きてくるまでとか、お昼になるまでとか。そういう区切りがあると、短く作業の締め切りとして使える。

仮眠をとる


集中力の維持のために睡眠は重要。疲れてきたら仮眠をとる。18分がいいらしい。

大きい仕事は細かく分ける


内容の大きい仕事や、時間のかかるものは、細かいものに分けていく。まず、仕事を大まかな作業として幾つかに分け、それぞれの作業も、さらに細かく分けていく。タスクの分割とかBaby stepと同じ考え。

明日のためのタスクリストを作る


寝る前に、明日の仕事のためのタスクリストを作る。
その際、一つのタスクは15分で終わる程度のものになるまで分割する。
タスクを完了させる毎に、リストにチェックをつけていくことでタスクの達成が実感できる。タスクリストはデジタルなもので行うよりも紙のノートのような、すぐに開いて書き込めるものの方が扱いやすくて良いし、実際に書き込むことで実感が湧きやすい。



こんな感じです。いろいろと締め切りに間に合わせたい。