最近、よく瀬戸弘司さんの動画を見る。
カメラやDTM機材、楽器などなど、瀬戸さんが選んだいろいろなモノを、どういうところが良いのか、アガるのか、どういうところが他と違うのかを動画内で説明している。
見ていて思うし、瀬戸さん自身も言っているのが、「内容が専門的すぎて普通の人はついていけてるのか」ということ。
そして、それでも瀬戸さんの動画を面白く見れるのはどうしてだろうという疑問が、自分の中で「納得欲」と結びついた。
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瀬戸さんの動画で、カメラをSony、Canon、Panasonicのどのメーカーか、さらにどれどれの機種を選ぶかみたいな話はカメラ好き以外にはよくわからんだろうし、ゲーム配信環境の構築方法も視聴する側と比べたら配信する側の人口なんて少ないだろうし。
楽器も、ストランドバーグのギターの話だったり、フィンガードラムの64パッドを音階を演奏する楽器として使う話だったり。
さらに、64パッドでの音階を演奏から発展して、「ボタン式アコーディオンを弾いてみたい」になぜつながるのかとか。
最近だと、瀬戸さんの家のネットワーク配線を改善するとか、普通なら他人の家のネットワークとかどうでもいいはずなのに、なんで面白がって見てしまうのか。
実際、コメント欄にも、「機材のこととかわからないけど楽しく見ています」というコメントもよく見かける(動画内で「こんな専門的なのみんな面白いのか」みたいなことを言っている回は特に)。
瀬戸さんのファンだから見るというのもあるんだろうけれど、別の理由として「納得欲」を満たしているから見てしまうのかなと思う。
納得欲とは、最近読んだ、ヨシタケシンスケさんのエッセイのまえがきに出てくる言葉。何かを納得したいという欲求で、納得したら快感が得られる。
知識欲とほぼ同じなんだろうけれど、ヨシタケさんのイラストとか「納得欲」という言葉の感じから、「どうでもいいようなことでも、考えて、納得したい」みたいなイメージもあるので「納得欲」を使っていきたい。
瀬戸さんの動画は、(視聴する自分にとっては)どうでもいいようなことでも、瀬戸さんの説明を聞いて、納得して、快感が得られる、という面白さが生まれているのかなと思う。これは、なにか自分の必要に駆られて、やり方を動画で見て、理解する、という普通の流れとはまた違ったものだと思う。
もともと自分の興味の外でも、「瀬戸さんは今度はアコーディオンか〜」となんとなく再生ボタンを押してみて、動画が終わる頃には瀬戸さんの説明で「ボタン式アコーディオン、ありだな」と納得欲を満たされている。瀬戸さんの動画を見れば、何かしらの納得欲が満たされるのではないかという期待から、思わず瀬戸さんの動画をアレコレみてしまうんじゃないかな〜と思った次第です。
最近よく瀬戸さんの動画を見ることと、最近ヨシタケシンスケさんのエッセイを読んだことで、偶然その二つが自分のなかでつながって、納得欲を満たせたので、この納得欲を共有しておこうと思ってここに書き残しておきました。