前の記事で紹介したゼノンザードについて。

いろいろと書いているうちに、
ゼノンザードはTCGアニメの追体験ゲームだという考えに至りました。
今回はそのことについて。

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ゼノンザードのパートナーAI


ゼノンザードの特徴は、パートナーとして選んだAIと一緒にカードゲームの対戦をしたりデッキを作ったりできるところです。対戦中に次の1手をパートナーAIに聞いたり、デッキの調整部分のアドバイスを貰ったり。
つまり、AIを対戦相手として使うだけでなく、プレイヤーにアドバイスするパートナーの役割を与えています。
この関係って、どこかで見たことあるな・・・ああ、TCGアニメか。

TCGアニメでのパートナーキャラ


TCGを題材にしたアニメといえば、遊戯王、デュエルマスターズ、バトルスピリッツ、ライブオン、バディファイト、、、とたくさんあります。TCGアニメはフィクションですから、「こんな展開になったら熱い!」とか「こんなキャラとこんな関係性を見たい」のような、TCGを中心とした理想の世界が描かれていると言えます。
そんなTCGでの理想の世界でよく描かれているのが、主人公をサポートするキャラクターの存在。たいていは最初に手に入れたカードのモンスターですね。あとは自分の中の別人格だったり、シンプルに友達の場合もあったり。
そのような主人公のパートナーとなるキャラがやることといったら、対戦中の重要な局面で主人公にアドバイスしたり、(対戦中に真のチカラに目覚めたり)、デッキを作りを手伝ったり。
そう、パートナーキャラの役割はゼノンザードのAIとほぼ一緒です。

今までのTCG、DCG


今までのTCGでは、アニメの演出にいたパートナーキャラのような存在は、現実での友達がそれに当てはまっていたと思います。しかし、ちゃんとした大会だと、対戦時に外野の人がアドバイスするのは禁止されているので、アニメのように仲間からアドバイスをもらう体験はできないです。それから、人によっては、友達ではなくパートナーとなったモンスターのような存在とも協力して対戦してみたいといった願望もあったりするんじゃないでしょうか。

DCGの場合、特に遊戯王などのTCGアニメがあるものをデジタルで遊べるようにしたものの場合、キャラクターが対戦中にしゃべる演出があるので、TCGアニメの追体験できているとも言えます。
ただ、もうちょっと複雑な盤面に対して、プレイヤーが納得できる内容であったり、「あ、それ気づかなかったけれど良いじゃん」みたいなレベルのアドバイスが出来たら良いのに、という状態だったと思います。

ゼノンザードはTCGアニメの追体験ゲーム


TCGアニメが理想として見せていた、パートナーキャラとの共闘。今までのTCGやDCGでは、その追体験をするには不十分でした。
しかし、ゼノンザードのAIによって、パートナーキャラと共に闘うというTCGアニメの追体験ができるようになったのだと思います。厳密に言うと、まだ理想通りにはたどり着いていないだろうけれど、その追体験の密度が1段階上がったという感じ。技術力が上がることによって、SF(サイエンスフィクション)で描いていた世界に1歩近づいたみたいな感じですね。

ということで、自分がゼノンザードに関してすごいなと思っている点は、

・AIをパートナーという役割で使ったこと
・パートナーキャラのアドバイスの質をAI技術であげたこと
・上記2点により、パートナーキャラと共闘するという、TCGアニメが見せる理想に1歩近づいたこと

です。
対戦相手としてAIが強くなった、というのも魅力ではありますが、そっちの方向は頂上からの景色が想像しやすい山のようなものです。プレイヤーをサポートするパートナーAIという役割を突き詰めていった時に、どんな景色が見えてくるのかのほうが個人的には楽しみです。

ゼノンザード<ZENONZARD>公式サイト│ BANDAI

余談、ゼノンザードのアニメについて

ゼノンザードにもアニメがあります。

0話を見ましたが、「パートナーキャラと契約して一緒にカードバトルをする」という、この記事でも説明してきたTCGアニメの定番という感じ。
ゲームのほうが、せっかく世界を1歩進めた感じになっているので、アニメのほうも今までのTCGアニメと違う主題を見せてくれたらなと思います(自分の期待が大きすぎるのかも)。とにかく、今後の話に期待しています。
最近だと、仮面ライダーゼロワンもAIをテーマにしていて面白いので、ゼノンザードのアニメでもカードゲームやe-ports的な世界でのAIのIFを見せてもらえたらなと思っていたり。
ゼノンザードのゲームをやっていると、「自分よりAIがプレイしたほうが強くない?全部任せたら良くない?」みたいに思うこともよくあるので、そういうところから人類のアイデンティティを根こそぎ否定してくのも面白いと思うし。