この前、とある人にこのブログを見せたことがあり、その時に「このアーティストは自分も好き」というような話に発展しました。
そして、そのままいろいろと話していたのですが、その人から見ると自分は「広く浅くいろいろなものを聞いている感じ」でその人自身は「好きないくつかのアーティストを深く聞いている」と言っていました。
その人と自分の話題の共通項がでんぱ組.incだったので、このテーマを軸にして話していたのですが、その人は「でんぱ組.incが好きだから全曲ちゃんと聞いた」と。一方、自分のほうは、「でんでんぱっしょんと他数曲しか聞いていない」という状態。
こんな状態だったので「それで本当にでんぱ組.inc好きといえるのか?」という話になり、結局のところ自分は「でんぱ組.inc」というアイドルグループが好きなのではなく、「でんでんぱっしょん」という曲が好きだという結論に至りました。でんぱ組.incのPVを見て「3人くらい見分けがつかないから三つ子がいるように見える」とか言ったり、でんでんぱっしょんが好きだからこそ作曲者を調べて作曲者のバンドであるWiennersのライブにまで行ったり、そういう行動からアイドルグループではなく曲が好きなのは明確だったということです。
でんぱ組.incについてはそういう結論になりましたが、他の自分の好きなアーティストについてはどうなんだろうと考えてみた時、たとえばパスピエのアルバムはすべてチェックしてダウンロードしています。なのでパスピエについては本当に自分の好きなアーティストなんだろうとは思います。しかし、好きなアーティストであるパスピエが新譜を出した時にそれを購入するかどうか悩んだこともあります。パスピエは好きだけど、今回の曲は本当に自分の好きな曲なのかな?と。

ここまで思ったことを書いてみると、自分は「アーティスト中心ではなく曲を中心としてみて好きかどうか決めている人」ともとれるのですが、たぶんそれは違います。実際のところ、パスピエは自分の好きなアーティストだと思います。そして、でんぱ組.incはそこまで好きというわけではない(「でんでんぱっしょん」は好きだけど)。ここで気になるのが、「どこまでいったらそのアーティストが好きだと言えるのか」ということ。

ちょっとよりみちした話になりますが、「どうなったら好きだと言えるのか」と考えた時に自分が思い出したのが水あさとさんの同人誌であるコレ
pixivにあがっているサンプルだと載っていませんが、この男子は「この女の子の匂いは好きだが、その人の一部がすきなだけではその人のことを好きだといえるのか?」「もしその人の0.01%でも好きじゃない部分があったら、もうその人のことは好きじゃないということになるのか?」というようなことを言っているシーンがあります。音楽アーティストで言えば、「そのアーティストの発表した曲のすべてが好きじゃないとそのアーティストを好きだと言えないのか?」ということ。もっと極端に言ってしまえば「そのアーティストのライブにすべて参加してグッズも初回限定特典も集めないと、、、」なんてことに。

「どこまでいったらそのアーティストが好きだと言えるのか」ということに戻りますが、たぶん、こんな風に「100%好きじゃないと好きだとは言えない」なんてことはないでしょう。でんぱ組.incについて話していたその人も、「すべての曲はチェックしているけどそれほど好きじゃないのもある」とも言っていました。では、好きかどうかを示す上でいったい何がキーになるかというと、よく言われている「好きの反対は無関心」という言葉。その人はでんぱ組.incが好きなので他の楽曲にも関心を示して全曲チェックし(その結果、チェックした曲が好きであれそれほどでもないであれ)、一方、自分はそれほどでんぱ組.incが好きというわけでもなかったので数曲だけしかチェックしていないです(ですが、「でんでんぱっしょん」は好きで関心があったので作曲者を調べています)。つまりは、そのアーティストに関心がありいろいろと調べているかどうかが重要なんだと思います。そして、その結果として好きな部分が多ければ、そのアーティストのことを好きだということになる。関心の度合いや好きな度合いは正確には測れないので、「どこまでいったら」の正確な線引きは結局のところできないですが。

さらに、どこから「好き」「ファンだ」と自称するかについては人それぞれだとも思います。それほど詳しくもないのに「ファンだ」と自称している人は、深いファンからしたら「にわか」だと蔑称されることもありますし。

こういうことは、音楽アーティストだけでなくいろいろな物事の好きかどうかに関わってくると思います。そして、自分は「自身の好きなものを自分の言葉で語れる人は魅力的な人」だと思っています。好きなものについては関心を使って色々と調べて、調べたことについて自分は好きなのかどうかを感じて、どういうところが好きなのか、なぜ好きなのか、逆にそれほど好きでない部分はどこなのか、といったことを考えてみておくと、同じものが好きな人と出会った時にいろいろと語り合えて楽しそうだなと思います。
このブログで好きなものについてのタグを作ったのも、そういうことをメモして残しておくためという理由があったからこそだと思います。