タイトル通り、TCG初心者とディメンション・ゼロをやってみた記録です。
最近、Twitter上でディメンション・ゼロの機運が高まっているようなので、初心者とプレイしてみており、せっかくなのでその記録を上げておこうと残しておきました。D-0初心者の人が読んだ際や、初心者に教えるという際に、何かしらヒントが得られるようだったら幸いです。
ディメンション・ゼロのルールに関するページ | Dimension-Zero Official Home Page
ちなみに、D-0のルールブックや入門者用ルール漫画などは、上記の公式HPから未だ見ることができます。
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どのくらい初心者?
- TCGをやった経験は全く無し(今回D0をやる前に少しだけ、さくらTCCとBlade Rondoを一緒にやってみた)
- UNOやトランプは経験がある
- D0の対戦動画(実況ありのもの)はいくつか見た
という感じ。
対戦動画は、あまりルールを知らない時に見ていたので、ほぼ実況の煽りを楽しむだけだったけれど、「エネをめっちゃ数える」とか「ここで門握っているのは強い」とかゲームに関する印象に残るワードはところどころ覚えていたらしい。
ちなみに、教える側の自分は、長いことD-0やっているのでルールには結構詳しい。
用意したデッキ
I-1,I-2環境の全最が終わったばかりだったので、取り出しやすくなっていたそれらのカードを使って初心者用デッキを組んでみた。
緑単と黒単を作り、初心者の人に使ってもらうのは緑単のほう。
デッキ名: 初心者用 緑
作成者: komekkun
(デッキ作成サイトで見る)
禁呪合計: 0
メインデッキ
【ユニット】
3×《カオスビースト・グリフィン》
3×《兎娘キューティ・バニー》
3×《綿毛のフェアリー》
3×《カオスビースト・スキュラ》
3×《蜘蛛の巣をまとうフェアリー》
3×《象砲手バルカン》
3×《カオスビースト・ゲンブ》
3×《草笛を吹くフェアリー》
3×《大巨人ムーン・イーター》
【ベース】
3×《密林の孤城》
【ストラテジー】
2×《生命の門》
3×《エメラルド・ソウル》
2×《ケイオス・ファング》
1×《メルトダウン》
2×《ケイオス・ハンド》
デッキ名: 初心者用 黒
作成者: komekkun
(デッキ作成サイトで見る)
禁呪合計: 0
メインデッキ
【ユニット】
3×《殺意の魔煙キラー》
3×《夢見る人形エリザベス》
3×《悪意の魔煙エビル》
3×《イビルアイ・サージェント》
3×《スパイク・ガールズ》
3×《微笑む人形マリアン》
3×《魔少年ダミアン》
3×《ジャグリング・パペット》
3×《引き裂く人形アン》
【ベース】
3×《魔王の城》
【ストラテジー】
3×《冥界の門》
2×《ジェット・ソウル》
2×《黄泉返りの呪法》
3×《冥王の鈎爪》
どちらもバニラ多めで。黒単の方は少しむずかしいカードも入れている。
両方とも、+3000ソウルと+2000ベースでやり取りできることを基本に。緑はそれに加えて色の特徴が出るようにスマッシュとエネルギー増加カード、除去ストラテジーをいくつかと門。黒は、エリザベス・鉤爪等の除去カードと、ダミアン・黄泉返りの呪法の墓地回収と門という構成。
バトルの処理に関わる効果である「加速」は、説明が複雑になりそうだったのでデッキに入れなかった。後述するが、バトルの処理の詳細まで理解するのは難しそうだったので結果として入れずに良かったと思う。
ディメンション・ゼロをやってみる
一番最初は、お互い手札を公開しながら、「引いて、エネルギーに一枚置いて、このカードの場合は緑のエネルギー1枚と何色でもいいから2枚あれば場に出せて、自分のターンに起きて、真ん中だと1点スマッシュできて、スマッシュ7点与えたら勝ちで、、、」という一連の流れを、ゲームを進めながらやっていった。
次に、ハンデあり(こちらの初期手札を2,3,4枚などに減らす)で何回かプレイしていった。
慣れている人でも時間が掛かるゲームなので、初心者でさらに相手の手札が非公開となると、ルールを確認しながら進めることに加えて「相手が何かをしてくる」という要素で考えることが多くなり、更に時間がかかっていた(しょうがないことではあるが)。
最後の方には、D-0の戦略的な部分(対応してソウルを使ったり、迎撃のために手札とエネを残したり)が楽しめていたので良かったかなと思う。
未だ理解されていない部分
スタック処理
「カードを使ってもすぐ効果が解決されるわけではなく、一旦予約状態になってから解決される。予約状態の時に、さらに他のカードを使って効果をスタックに乗せられる。」という部分はなかなか難しいようで、まだ完全には理解されていない。
自分が移動などをさせた時に、なにかできそうな盤面やエネの残り方のときは「クイックタイミングのカードがあれば対応して使える」とその都度聞いているので、完璧に理解はできていなくても、対応してベースを貼ったりソウルを使ったりなどはできている。
バトルタイミング
また、今回は意図的に、バトルタイミングとダメージスタックはほぼ無視してゲームを行っている。スタック処理があやふやな状態で、バトルの詳細を説明しても更に混乱にそうなので、バトルタイミングで使える+3000ソウル系も、実質はクイックタイミングのように扱ってゲームを進めている。
相手ターンにできないこと
ノーマルタイミングとクイックタイミングの違いが明確には理解されていなかったので、最初の頃は相手ターンに移動しようとするということがあった。
「ノーマルタイミングのカードの他に、移動とプランとプランのカードを使えるのはノーマルタイミングだけ。ノーマルタイミングは自分のターンのスタックがカラの時だけ。」は徐々に浸透していった。
ユニットをプレイした時に、リリースで置いてしまう
プレイしたユニットはフリーズで置くが、リリースで置いてしまうことがよくあった。TCGだと横向き縦向きが重要な要素である。しかし、TCGをやったことがないと、カードはそのまま縦向きで出すのが自然なので、慣れないうちはそうなってしまうのかなと思う。
初心者にしては良いじゃんって部分
一般的にD-0初心者がなかなかできないと言われている項目の中で、今回は引っかからずにうまくいっていた部分。
プランをめくる
「D-0初心者は、プランをなかなか使わない。手札がカラになってから初めてプランをめくる。」と言われているが、今回はまったくそんなことは無かった。
数回やっていくうちに、自分のターンの最初にとりあえずプランを捲ってみるというプレイングがすでにできていた。
「○○エネ残っているからXXを狙ってプランをする、とかはできていない」と言っていたのが、そこらへんはまた次の段階ということで。
うまくいった要因として
- やっていくうちに手札を減らさない重要性に気づいた
- 対戦相手である僕が、よくプランを捲っているから
- 見えていないカードを捲りたい?
あたりがあったのだと思う。
エネルギーを支払う前にプランを捲ろうとしてしまうこともあるので、プランを捲る魅力はだいぶ強いのかも。
重要なカードを手札に握る
数回やっていくうちに、ソウルや門などの重要カードを手札に握っておくことを普通にやっていた。ただ、黒単の方のデッキを使うときは、大事そうなカードが多すぎてエネルギーにセットするカードを選ぶのにだいぶ苦労するらしい。
緑単のほうが効果が簡単なカードが多かったことや、蜘蛛の巣をまとうフェアリーのような、「プランから出ると強いけど手札に来たら弱いからエネに置く」というわかりやすいカードがあったのが良かった。
リリース、ドロー、エネルギーセット
TCGの経験があると、ターン始めにまずドローをしてしまうことが多い。
今回はそういう先入観がないので、「起こして、引いて、肥やして」を順番通りこなしている。
ただ、たまにエネルギーセットは忘れる。
負けてもイジケない、諦めない(追記)
D-0が「入門者が増えない」とか「人を選ぶゲーム」とかつて言われていた要因として、「上手い人にはほぼ勝てない」こと「負けた原因が、運ではなく自分のプレイのせいになる」ことがある。何回やっても負けるから楽しくないとイジケて、もうやらなくなる人も多かったのだろう。
今回はハンデ戦であっても自分が連続して勝つことがあったが、そうなってもいじけたり諦めたりしないで負けた理由とかプレイの見直しをしていた。
D-0は勝敗という結果に一喜一憂するゲームではないと思っている。
D-0は負けた時に負けた理由を考え、次の対戦で改善していく、その繰り返しで成長を感じられるのが魅力の一つだと思う。運要素の影響が少ない分、プレイングの成長は感じやすいのだ。
そのため、負けたという結果だけにとらわれすぎず、そこから自分の成長を考えられる性格の人はD-0を楽しむ適性があると思う。
(この節は梅原大吾の本の影響をだいぶ受けている、と後になって思った)
やってみて良かったこと、悪かったこと
お互いのデッキを交換してプレイする
D-0の基本ルールに慣れてきたら、使うデッキを交換してプレイするというのは利点がありそうだった。
具体的には、前に僕がそのデッキを使った時のプレイの仕方を見ているので、カードの個々の基本的な使い方やそのデッキの基本的な動かし方がなんとなくわかるのだ。例えば、僕が黒単を使っているときに、「1コストのキラーが出せるかもしれないから、毎回2ターン目にプランを捲る」というのが伝わっていた。相手に使われてみて、使い方や強さがわかるというのはよくあると思う。
初期手札を減らすハンデ戦
プレイ自体が接待にならないように、もともとの戦力にハンデをつけておいて、プレイングはガチでやるという意味では良かったのかなと思う。ただ、少ない手札でガチで勝ちに行くとなると、「ダメージスタックを使って〜」みたいなルールの細かい部分を突いて勝ちにいきたくなってしまうのは問題かもしれない。ルールの知らない部分や、まだ理解しきれていない部分を使われて負けるのは初心者側としても嫌だろうし。
今回は、「バトルタイミングとダメージスタックは使わない」というルールを途中で自分の中で決めて、ダメージスタック後にソウルを使うと勝てる場面でも、「このソウルはクイックだ」と自分の中で言い聞かせてプレイすることにしていた。
いろいろなデッキを使う
これは、あまり良くなかったなという点で、他のいろいろなデッキを使うこと。相手とデッキを交換してプレイするのではなく、全く違う第3、第4のデッキを使うというもの。他のTCG経験があるような飲み込みが早い初心者に対しては、いろいろなカードに触れられて良いんだろうと思う。しかし、まだルールが曖昧なうちは、ルールに加えて新しく目にするカードの効果にも気を取られてしまうので楽しさよりも、その大変さが勝ってしまうようだった。情報は出し過ぎない程度にするのがちょうどよい。
試してみたら良さそうかなと思うこと
こちらの手札だけ公開してプレイする
次に機会があったら試してみたいなと思うのが、こちらの手札だけ相手に公開してプレイするというもの。
こちらの手の内をさらけ出して、「門は大事だから初手から取っておく」とか「相手ターンに迎撃できるように〇〇を使うエネは残しておく」とか、こちらのやろうとしていることを少し説明しながらも良いかもしれない。
このやり方だと、相手の手札を推測するために考えすぎるという時間もなくなるし、カードごとの基本的な使い方や基本的な戦略とかも知れるし。
もし、初心者側の手札を公開してもらってプレイの指南とかしてしまうと、アドバイスと言うよりプレイの指示になってしまいそうで、自分で行動を選ぶおもしろさがなくなってしまうので、それなら教える側の手札を公開して戦略を見せたほうが間接的だけれども良いだろうという考え。
ただし、ずっと手札公開だと、相手の手札を読むというおもしろさは無くなってしまうので、ある程度慣れてきたら通常のルール通り手札を非公開にしてのプレイに移れば良いと思う。「前の(手札を公開していた)時には、〇〇エネを残してXXを出そうとしていたから、今回もそうかも」みたいな読み合いのきっかけにできるかもしれない。
詰めD-0(追記)
この盤面でターン中に勝つには?のような詰将棋的なやつ。
実は今回も少しだけやっており、自分が調子に乗って攻め込みすぎて「実は移動の仕方次第でそっちが勝てている」という盤面を使って(しまったので)出題していた。
特殊すぎる状況ではなく、実際の対戦でもありそうなものを作って出題すれば、実は勝てるんじゃないかと実対戦中にも考えるきっかけになりそう。また、こうやられたら負けるというのも考えやすくなるかも。
さいごに
TCG初心者とディメンション・ゼロをやってみた記録を書いてきました。
結局のところは、相手の前提知識量とか理解度に応じて教え方や遊び方を変えるのが一番良いです。今回の記録もあくまでも一例ということで、実際に初心者の人と遊ぶ際はケース・バイ・ケースで。