この前のブログで「シロクマ(熊代亨)のブログ」を紹介しましたが、その方の著書を読んだのでメモを残しておきます。
「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか? (熊代亨)
「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか? (熊代亨) | Amazon
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内容としては、興味を持つきっかけとなった下記のブログ記事の内容を、更に詳しく、また周辺の内容に関しても触れたという本。
高学歴者ほど「若者」から「大人」に変わるタイミングが難しい
20、30代の「若者」と「大人」の狭間にいる世代に向けて、40代の著者が自身の人生を振り返り、また関わった患者や他の人のエピソードなども交えて、「若者」から「大人」になることについて語っている。
自分もちょうどその対象の年代であるため、興味深い内容が多かった。
特に、印象に残った内容を簡単に列挙しておく。
この本の内容だけでなく、読んだ自分の解釈や感想なども混じっているのであしからず。
日本の若者が持っている、いままで当たり前だと思っていた価値観がどこから出来上がったのか、そして、それが歴史的に見たら当たり前ではなく、ここ数十年だけのものであること。
「若いことに価値がある」という価値観は、テレビなどのメディアによってできたもの。アイドルや芸能人は常に若い状態でいようとしたり、アンチエイジングなどが特集されたり。
しかしながら本来は、「若いことが良いこと」で「若くなくなることは悪いこと」と単純なものではなく、「若くなくなっても成熟することで新しい良いこと増える」と知っておくことが重要。
「若者」と「大人」で、幸せの価値観や視点が変化すること。「若者」からみたら、こんなことをして「大人」は何が幸せなんだろうと見えるものでも、「大人」にとっては本当に幸せであったりする。特に「若者」は自分の成長に幸せを感じるが、「大人」になると他人の成長に幸せを感じるように変化する。
恋愛と結婚での価値観の違い。今は恋愛結婚が主流となっているが、必ずしも恋愛の延長線上に結婚があるわけではない。恋愛の相手として重視される部分と、結婚相手として重視される部分は異なる。
そもそも少し前は、お見合い結婚だったり、両家が決めた相手と結婚することが主流で、恋愛結婚と比較してお見合いなどが劣っているとも言えない。また、恋愛結婚は一昔前のトレンディドラマブームが生み出したものである。そのため、恋愛結婚という形式は、ただこの時代のブームにすぎない。
趣味との付き合い方に関しては、「若者」であった頃と「大人」になった後では趣味以外の状況が大きく変わるため、「若者」の頃と同じように趣味を続けていくことは難しく、無理が生じる。そのため、最新のものをキャッチアップし続ける分野を絞り、他のものは今までの経験からルーチン的に低負荷で処理して生活する等(あるジャンルの音楽は最新を追い続けるが、衣服や食事は普段どおりを続けるような)。
その他にも、「大人」になるための先輩との付き合い方、後輩との付き合い方などの章もある。
実際には、まだ「大人」になれていないため実感ができないことのほうが多いが、こういった知識を得ておくことで、何か行動を選ぶ際に「大人だったら」の視点を持って選び方が徐々に変化していくんじゃないかなと思った。
人生のこの時期に読んでおくには良い本だと思う。