大森靖子さんの7月発売の新曲「マジックミラー」のPVがyoutubeで公開されていました.
この前見に行った全国ツアーでも演奏していて,このPVでところどころ出てくるライブ映像もその時の中野サンプラザでのライブです.

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そのライブの際にも言っていましたが,この「マジックミラー」という曲には,大森さんの音楽が鏡となってファンの人それぞれが抱いている理想のイメージを,何倍にも大きくしてその人それぞれに映し返して見せてあげたい というような願いが込められているということです.
歌詞の中でも,「あたしのゆめは 君が蹴散らしたブサイクでボロボロのLIFEを 掻き集めて大きな鏡をつくること 君がつくった美しい世界を みせてあげる」ってあります.

大森さんがラジオの中で,「本質的に面白い人が見たいのに,そういう人がぜんぜん表に出てこれない,だから自分がまず世の中に出て行くことでそれに続いて面白い人が出てきて欲しい」というようなことを言っていましたが,まさにこの曲もその信念を表しているんだなって思います.

さらに2番では,「あたしの有名は 君の孤独のためにだけ光るよ 君がつくった美しい君に 会いたいの」となっているのでまさにその通りですね.
大森さんが自分のやりたいことをやるためにメジャーデビューまで辿り着いたんだから,今度はこの音楽を聞いているあなたに,本質的に面白いことをやってほしいということ.

大森さんの作る曲は,どれも背景がちゃんとあったりメッセージがちゃんと込められていてすごく好きです.
こういう他の人に良い影響を与えられる人間になりたいですな.



余談
ちなみに,歌詞の中にある「素直な子が好きだって言うから素直に生きているだけでしょ」っていうのは,「素直な子が好きって言うヤツほど,素直に生きている人を受け入れてくれない」って言っていたことそのまんまですね.
なんか,大森さんはラジオで言うような日々思っていることを歌詞の中にもバンバン織り込んでくるので,歌詞の背景のつながりを楽しむって意味でもラジオ再開してくれたらなと切実に思います.



余談2
某所で大森さんについて話していた時に,結婚したことについてロックじゃないかどうかという話題になりました.
ロックさを追求するなら30なる前にドラッグとか自殺で死ぬんだろうけど,というか大森さん自身も以前は死ぬ死ぬトークをしていたらしいですが,それが結婚というルートに変わったのは良かったなと思います.
これは勝手なイメージですが,結婚してちょっとずつ幸せになっていったらだんだんと平凡になっていって魅力的な曲が書けなくなっていったりするんじゃないかなと思うのですよ.
そんなこと実際にあるのかどうかわかりませんが,自分のイメージとしては.
物理的に本当に死ぬのではなく,芸術家として死んでしまうというカッコイイ言葉ももらいましたし.

自分としては,芸術家として死んでしまってもいいんじゃないかなとか思うのですが,今の大森さんを見ているとそんなことにはならなそうですねw
たしか,音楽でやることをやりきったら次はプロデュースしたいとか言っていたこともありましたし,結婚や妊娠も今までの大森さんにはなかった経験や価値観をプラスするものですし.どういう方向に変化するかは全くわかりませんが,そういう変化をリアルタイムで追っていけるということが,同じ時代に生まれた同じ世代の人としてすごく楽しみです.大森さんならどういう方向に変化しても面白いんだろうから.