前に見た「パシフィック・リム」の続編、映画「パシフィック・リム:アップライジング」を見てきました。

ネタバレあるので注意。

***

続編なので、設定や世界観への驚きやツッコミどころは少なかったですがけっこう面白かったです。最初は、この主人公っぽい黒人は誰なんだ?って思っていたけれど、途中で「1作目のラストで、この世界と怪獣が出て来る異次元の裂け目を塞ぐために自滅した教官がいたけれど、その息子か」とわかって納得。名誉ある死をとげた英雄が父親だけれど、息子の自分自身はそんなに活躍できていなくて葛藤するっていうの熱いよね、というやつ。ラストの出撃前の隊員を鼓舞するスピーチはかっこよかった。
前作の主人公、ヒロイン、研究者二人組も重要な役として再登場していて良かったです。

今回のヒロインの女の子と、ガラクタや盗んできた部品で作った小型のイェーガー(ロボット)も良い感じ。武器はポンコツだけど、丸まってコロコロ転がるのところが可愛い。

また、中国企業が無人機のイェーガーを量産して世界各地への配置を試みている。無人機と聞いて、最初は「搭載したAIが暴走して事件を起こすタイプか?」と予想したけれども、無人機と行ってもAIで自律的に動くタイプではなく、遠隔から人が操作するタイプだったためAI暴走の線は無し。ただ、最終的には無人機イェーガーに仕込まれたプリカーサー(怪獣)がイェーガーを支配して暴走し始めるので似たような感じだけれども。
個人的には、この、生物(プリカーサー)と機械(イェーガー)の融合体が生まれるところが今作で好きなところ。建物に蔦が絡みついて支配している風景のように、野性的な生物が人工物を利用するというのはワクワクして良いですね。
前作はロボ(イェーガー)vs怪獣(プリカーサー)がメインだったので、今作でイェーガー同士のバトルが実現されたのは良かったです。ラストは裂け目から出た怪獣を倒すのでロボvs怪獣になりますが、もう少し暴走した無人機イェーガーとのバトルが見たかった。あと、暴走無人機を止めるのももっと何か見せ場があって欲しかった。前作の解決のキーになった研究者が黒幕で無人機を暴走させる展開はとても良かったし、無人機が各地で異次元の裂け目を開くシーンは降魔の儀式を彷彿とさせるものがあったし。個人的には、ここらへんのシーンが今作で一番好きです。ココらへんをもっと拡げた話だったらどうなっていたんだろう?と妄想が膨らみます。

終盤は、各地で出現した怪獣が日本を目指し、東京の街と富士山でバトルするという設定が、日本のロボットアニメをリスペクトした作品というのがあからさまに感じられて良いですね。前作の市街地戦闘で気になった、「この下で逃げ遅れた人がたくさん死んでいるんだろうな」という心配も、今作だと、司令室から「住民の避難は完了した」というセリフ一つのおかげで気にせず楽しめたので良かったです。(シンゴジラの影響で)改めて考えると、怪獣が東京に上陸した時に、逃げ惑っている大勢の人々の様子を見せて、その後すぐにイェーガーが到着してバトルなので、絶対に避難は間に合っていないだろうと思うけれども。そこら辺は映画なので、「避難は完了した」の一言で気にしないで見ていられるようにするのは、本題のバトルシーンを楽しむために重要ですね。
今作も僚機のイェーガーにそれぞれ特徴があり、スピードタイプで二刀流から一刀流にチェンジできる機体と、でかいドリル(?)鉄球(?)付き腕の機体と、ウィップ使い、そして主人公機はブレード&プラズマキャノンと、揃い踏みしています。
あと、エンディングの映像がかっこよかった。赤と黒で統一されていて、イェーガーの機体シルエットと、筆で描いて墨が飛んだ和風要素もあるデザインが印象的でした。