この前、飛行機に乗った際に見ていた映画たち。

「トゥルーマン・ショー」


普通の生活を送っていたと思っていた20代の男が、実は生まれたときから今までずっとテレビ番組で放送されていて、周りの人全員が仕掛け人、町まるごとが番組用のセットだという話。話のあらすじは知っていたけれども、最後にテレビ番組でしたってわかるどんでん返し的な話ではなく、最初からちょっとずつ気づく要素があったのがちょっと意外でした。主人公が少しずつ違和感に気づいていき、妨害や町から出られないように植え付けられたトラウマに立ち向かって行く過程がおもしろかったです。自分の境遇を悟っても主人公の性格はいいものだったし。番組の視聴者に日本人家族もいたのがほほえましかった。

***

「パシフィック・リム」


日本のロボットアニメの熱いところ詰め込んだようなアメリカ映画。敵の怪獣が「Kaiju」だったり、ヒロインが日本人設定だったり、ヒロインの幼少期の役として芦田愛菜が出てきたり、幼少期のヒロインが逃げ惑うの町が日本語だらけなんだけれど隠れるごみ収集箱はアメリカだろってものだったり(回想だから混ざっているって思えば良いんだろうけど)。
面白い設定もけっこうありました。ロボットを動かすには、1人では神経がもたないため、二人一組で動かさないといういけないこと。二人で神経をシンクロさせるため、相手の感覚や記憶なども共有すること。それで相手の過去のトラウマとかも悟ったりとか。あとは、その技術を応用して敵の怪獣の脳とシンクロすることで敵の情報を詮索するとか。こういう設定はすごく好きでした。
また、主人公の機体以外にもライバル?みたいなのの機体や、ロシアの二人、中国の三つ子の操縦する機体などもあり、個性的だったのが良かったです。国ごとに特徴のある機体があるのは、「リモートコントロールダンディ」っぽい。しかしながら、完全に噛ませで、すごいと言っていたわりには初戦でやられるのがもったいない。ライバルっぽいやつも、ただ育ちが悪くて喧嘩しただけみたいな印象だったのも惜しい。2時間の映画でそこまで演出しきれないんでしょうね。
戦闘や作戦もけっこう大雑把だったのが気になったところ。最初は殴っていたのにピンチになったら刀を出したり。それなら最初から使っていればいいのに。プラズマキャノンもトドメのために無駄撃ちするし。電磁波で動かなくなった機体から出て、怪獣に照明弾を当てる意味もわからないし。街の中でも市民とか気にせず暴れまわるし。むしろわざと派手な倒し方をするし。市民の方も、怪獣を倒せれば被害とか気にせず喜んでいるし。
以前見た、「シンゴジラ」と正反対に位置するような映画だとおもいます。
個人的に気になったのはコックピットのトレッドミルとか、機構型の力覚入力装置は現実味があるものでした。
つっこみどころは結構あるものの、こういう設定とか展開は熱いよなと思う点も多々あり、おもしろい作品でした。

「デッドプール」


マーベルのX-MENシリーズのヒーロー映画の一つ。すこし聞きかじっていた情報や、CM映像の印象から軽い感じのコメディ系かと思っていたけれど、実際見てみるとそれほど軽いものではなくけっこうシリアスな話でした。ただ、メタヒーロー作品というか、優等生すぎるヒーローとは違うという点をたくさん見せてくれるのが新鮮でした。優等生すぎるヒーローでは、敵を倒しても反省すれば許して殺さないという展開がよくあるけれども、デッドプールはそんなのお構いなしに、復讐のためなら敵は全員殺すし、なんなら周囲も巻き込むし、ムカついたら殺すし。ダークヒーローともちょっと違う感じで、聖人とか悪人とかよりも普通の人に近い感覚のヒーローという感じでした。
デッドプールの過去の話が暗かったり、能力に覚醒する要因となる拷問シーンが辛かったりするのでR指定になっているのでしょう。

「ゼロ・グラビティ」


宇宙空間で作業中に大量のデブリが飛来する事故が起き、どうにかして地球に帰るという話。自分の宇宙知識は「ふたつのスピカ」と「プラネテス」がほとんどなのですが、命綱が外れて宇宙空間に放り出された時の無力感、残り酸素量との戦い、極限状態での判断能力、などがこの映画でも見れて面白かったです。宇宙ステーション内での火事とか、宇宙空間でのヨーヨー問題とか、デブリが指数的に増えてどうしようも無くなる感じとか、宇宙だとヤバいんだぞ問題が山盛りで良かった。個人的には、途中までいた男の人が、極限状態でも冷静に可能性を考え続け、ヒロインの精神状態を気遣って冗談や雑談をし続けていた点がかっこよかったなと。スピカとかプラネテスで描写されていたような、恐ろしいほどハードな訓練をこなし続けていたら、自分の死の淵でもこれだけできるんだろうなとおもいました。
ヒロインは、宇宙飛行士専門ではなく、医療関係者で研究のために宇宙に来ていたのかな?うっかりミスをしたり感情的になったり、普通の人ならこうなってしまうんだろうなという役割でした。それでも、消火器をブースター代わりに持っていったのは流石だった。

個人的に、すごく気になったのは、棚からマニュアルを取り出した後に、その棚のマジックテープをとめなかったこと。同じように宇宙服のヘルメットも投げっぱなしだったし。急いでいるんだろうけど、こういう細かいことをやっておかないと、あとになってから何か衝撃でマニュアルが吹っ飛んできて操作を邪魔するとか被害が拡大するんだ(そういう描写はこの作品にはなかったけど)。
宇宙の怖さや宇宙飛行士の厳しさを知れる良い映画でした。

余談


今回見た映画を振り返ってみると、トゥルーマンは世界に閉じ込められていて、パシフィック・リムはまぁコックピットだし、デッドプールは拷問シーンが狭いカプセルだし、ゼロ・グラビティは狭い宇宙ステーション内だし、、、。狭い飛行機内だったから無意識にそういう作品を選んで見ていたと言えなくもないラインナップでした。今度こういう機会があったら、もうちょっと開放的なモノを選んだほうが良さそうです。