原作はマンガで、TVアニメ化もされていた「メイドインアビス」の劇場版を見てきました。
絵柄は可愛いけれど、グロいシーンや残虐なシーンも多いので、可愛いものや癒やしを求めている人の閲覧は要注意。劇場版も、製作途中にR+15指定になって公開されたようです。
劇場版の話としては、TVアニメ版の続きという位置づけ。
TVアニメは大穴アビスでナナチに出会い、ナナチと共にさらなる深層に進むところで終わり。
劇場版ではその続きで、ナナチの敵である黎明卿ボンドルドと対峙する山場が見れる。
TVアニメから劇場版まで見れば、残虐な世界にも少しずつ慣れてくるし、その先に感じられるものもあるので、アニメから通しでみるのがオススメ。
TVアニメだけだとあんまり好きじゃないかなと思っていたけれど、なんか映画まで見るとボンドルド卿が、好きではないけど良いかなという感じがした。
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余談
まず余談から入ってしまうけど、映画を見終わった後に、twitterでこんな流れが見れて面白かった。
大森靖子さんつながりで、フォローしていた、大森さんのバンド編成のときのハイパーをするサクライケンタさんが、メイドインアビスにハマっているという話。
なんか、特異な人たちで共鳴している感じがある。
共感するかな?と思って誕プレにアビスあげたらバズっててワロタ https://t.co/z9eWT6p6jE
— えらめぐみ (@era_dots_hack) March 2, 2020
メイドインアビスのつくしあきひとさん、家に女児トルソーの時点でヤバいのに顔無いのに歯ブラシ買ってるとか本当に最高 pic.twitter.com/jncHh9gVhA
— サクライケンタ (@sakuraikenta) March 1, 2020
一応勘違い無いように補足しておくと、僕もLO毎号買ってるくらいなので、つくしあきひとさんにはリスペクトしかないです!んなぁー
— サクライケンタ (@sakuraikenta) March 2, 2020
なんか予想以上に伸びてた…ので
— サクライケンタ (@sakuraikenta) March 2, 2020
つくしあきひとさんへ届けメッセージ。
僕は音楽作ってるので曲が必要な際はいつでもお声がけください!アビスっぽいインスト作れると思います!!!
以下は映画の感想。ネタバレ注意
意外だったのは、それほどボンドルド卿や、メイドインアビスの残酷な世界観に嫌悪を感じなかったこと。
TVアニメを見ていた頃は、「可愛い絵柄だけれど残酷」という印象がすごく強かった。しかし、今回見た劇場版ではそこまででもなかった。もちろん劇場版でも、山場だから残酷なシーンは多い(特にプルシュカとボンドルドの対比的な上げて落とされる感じとか)けれども、メイドインアビスの世界観に慣れたのか、すごく嫌とかすごく落ち込む感じではなかった。(嫌ならそもそも映画も見に行っていないんだろう)
敵役のボンドルドは非道徳的なことをやっているけれども、振る舞いや考え方からすると、悪意を持っているわけではなかった。悪意なく非道徳的なことをやるのはサイコパス的なのかもしれない。孤児の子どもたちを騙してきて、人体実験とか残虐なことをしているけれども、すべてアビスの呪いを解き明かすために研究につながっている。ボンドルドの印象的なセリフの「愛なのですよ」も、一般的な「愛」の使い方と全然違うが、やっぱりそれも純粋にアビスの呪いの解明の糸口を見つけた喜びが含まれている。ナナチを研究の手伝いに誘うのも、本当に、一緒にアビスの呪いの解明をしたいという感じだし。
そもそも、アビスという大穴の中の世界は、外の、一般的な社会とは環境がまったく異なる。アビスの過酷な環境だと、外の世界の一般的な道徳というのが適用されるのかが怪しくなってくる。「お前それアビスでも同じこと言えんの?」道徳的に正しいかという行動基準だと真っ先に死ぬような環境がアビス。
さらにその深層に挑んでいる白笛レベルの人間にもなると、道徳観や価値観がぶっ飛んでいることは当たり前に感じられて、ボンドルドの考え方や行動にも納得感があった。しかも、やられても探求を諦めていない様子、その一貫性はむしろかっこよくもあった。最後にボンドルドの存在を完全に消すこともできたのに、リコやナナチたちはあえてやらなかったのも、ボンドルドのそういうところを理解してなんだろうと思う。そういう判断ができる時点で、リコやナナチもやっぱぶっ飛んでいるのだろう。
アビスは残虐な生物や探窟家、理不尽な呪いが詰まった、すごく特殊な世界なように思う。ただ、ちょっと引いて見てみると、わりと現実世界もアビスっぽいところがあるような、とも思ったりした。
そして、面白くて原作を8巻までkindleで買った。