ディメンション・ゼロの関東最強決定戦で使用したデッキです。

このデッキを使用した大会レポートについてはこちら→D-0関東最強決定戦2016 レポート

(左2列がサイドボード)

デッキ名: 白青耐性隊列
作成者: komekkun
(デッキ作成サイトで見る)
禁呪合計: 10
メインデッキ
【ユニット】
1×《ブラッディ・マリー》
2×《〝戦術兵器〟もとい》
3×《ワード・エイト》
2×《光の天使ピース》
2×《掘削工アリサ》
2×《塗装工アーニャ》
2×《監督官マイア》
2×《マオ・アビシニアン》
3×《蒼流星ストームドライブ》
2×《〝流通業者〟カナン・カルナ》
2×《醸造商人プラヴァ・ビル》
【ベース】
2×《軍楽隊の壁》
2×《クリスタル・ファクトリー》
1×《ソーラービーム・サテライト》
1×《刑務執行場》
3×《スプレーアートの聖地》
2×《海底都市中央銀行》
【ストラテジー】
1×《追放》
1×《ウイルス・パトロール》
1×《無限のミラージュ》
3×《再改造手術》

サイドボード
【ユニット】
2×《シェカラート》
2×《聖騎士ホーリー・レイピア》
【ベース】
1×《ソーラービーム・サテライト》
2×《タクティクス・グラビティ・フィールド》
1×《刑務執行場》
【ストラテジー】
2×《現場指揮》

***

デッキ概要


どんなデッキか


前回の東北最で使った白青補給耐性をベースに、ひつじさんが紹介していた白青ビッグトライアングル(D0:青白×補給×隊列 | フダ漬け)の要素を加えたデッキです。
関東最の直前までは、もっとビッグトライアングルに特化した構築で、アーニャが3積みだったりベースが12枚だったりハーケンが入っていたりしました。関東最の日の朝に、少し日和って無難な構築に寄せたのでした。特化したものか、丸くした後か、どちらのほうが良かったのかはわかりませんが、関東最で12戦中5回ビッグトライアングルを決めることができ、戦績も2位までいけたのでこの構築の方向性は間違ってはいなかったと思います。

ビッグトライアングルの採用理由


耐性デッキにビッグトライアングルを採用した理由は、《ワード・エイト》を直接中央エリアに出したいということ。あとは、隊列召喚の盤面展開のエネルギー効率の良さ。
ここらへんの感覚は、耐性デッキを何度も大会に持ち込んで、弱かった部分やその改善点を考えているうちに分かって来たので、その経緯を時系列にそって書き残しておこうと思います。

デッキと構築観の変遷


耐性はおまけ程度だった時期


白青のもともとの形は全最2015秋にフリー対戦用に持って行った補給急襲デッキからで、水曜町田会にも持って行きました(D-0水曜町田会 2015/12/23 白青補給急襲)。
その時に、Kさんが筑波ターボに勝つためのデッキとして《ホワイト・レディ》や《ワード・エイト》と《スプレーアートの聖地》を使った耐性デッキを組んでいました。そのアイデアを元に補給急襲とマージさせたデッキを作ろうと試しました。

耐性ユニットの使い方の迷走

耐性ユニットで筑波ターボに勝とうと思った後、耐性ユニットを効果的に運用できる構築がないかといろいろと試行錯誤していました。
D-0北最前のデッキ迷走録
《侵略者の一撃》で飛ばしたり、《ワープ・ポイント》で飛ばしたり、白青赤の3色にしたりと試したのですが、あまり安定してまわるようなデッキになりませんでした。
ただ、迷走はしましたが、ここで後にデッキに採用する《現場指揮》の可能性が少し見えたのは成果と言えるかもしれません。

北最での使用デッキ

そんなこんなで北最に持ち込んだデッキはこんな感じになりました。
D-0北最デッキレシピと準備
メインは耐性ではなく《〝戦術兵器〟もとい》の補給急襲ビートで、《〝棄国の皇子〟玖珂 白陽》の火力からは《光の天使ピース》で守り、《〝閉封世界〟苦諦》は《〝流通業者〟カナン・カルナ》で避けられるようになっています。

この時期の耐性ユニットは単純な使い方

この時の《ワード・エイト》の出し方は、覚醒で出るか手札から5コスト払ってプレイの2択。採用理由としては覚醒で出せれば良いな程度。デッキトップ操作は入っていないので覚醒で出せる確率は低く、手札からプレイする頃には相手の《苦諦》が十分に間に合うためほとんど効果的に使えていないものでした。
《ホワイト・レディ》は0スマで足も遅いため、「1ラインは守れるけれど攻めることができているわけでもない」状態で、他のラインからスマッシュレースに負けたり、時間をかけると《苦諦》で処理されたり。運用が難しかったので結局採用しませんでした。
《〝戦地支援〟たたら》での確定除去先としての役割もありますが、条件を揃えるのが難しかったので、結局《もとい》に吸わせることも多かったです。

耐性を展開&除去に使った時期


北最では、手札にきた《ワード・エイト》をそのままプレイする弱さを実感したので、手札に引いた時の有効な利用法を探していました。
その結果たどり着いたのがこの構築です。
D-0水曜町田会 2016/3/30 白青補給耐性
D-0東北最12th 使用デッキと大会レポート

《現場指揮》での展開&除去

手札にきた《ワード・エイト》を有効利用するために採用したのが《現場指揮》。3エネで場に出しながら、相手のユニットを1体吸って除去することが出来ます。《スプレー》上ならほぼ確定除去です。
今までは、《ワード・エイト》を出す→《たたら》で吸う の2手間(合計8エネ、覚醒なら4エネ)かかっていた行動を3エネに効率化できます。
手札に白ユニット3枚の条件が多少不安だったので、ドロー要素を増やすために《プラヴァ・ビル》2枚《もとい》2枚の構築にしています。また、出す先として《ホワイト・レディ》も採用しています。

《現場指揮》と《苦諦》の相性

《現場指揮》でユニットを出す際のもう一つのメリットとして、ユニットを出す場所を事前に指定していないというものがあります。これにより、効果にスタックして出すスクエアを《苦諦》に除外される心配がなくなります。一度出てしまえば、《苦諦》で除去されそうになってもクイック移動で回避することが出来ます。この、回避するエネルギーを残すという意味でも、《現場指揮》で軽いエネで出せることは重要です。

《苦諦》の効果の強さ


《苦諦》の効果は「対象にならない」ユニットを除去できるだけでなく、スクエアを除外し続けるという点も強力です。
上述したような動きで、《現場指揮》で耐性ユニットを出したとします。吸い込む効果スタックで相手が《苦諦》プレイ。それにスタックでクイック移動カードで耐性ユニットを中央エリアまで回避させます。相手のユニットを吸い込んで除去ができて、耐性ユニットが中央に居座ることもできた。この一連のプレイで有利な盤面になったか?というと手放しに有利になったとは言えないです。
投下された《苦諦》ならまだしも、《苦諦》の除去から耐性ユニットを回避させたといっても、自軍スクエアを除外し続けている状況ならばその《苦諦》は仕事をしています。本来ならば、耐性ユニットの後ろに後続のユニットを展開して、その安全なラインから一気に攻められるはずが、《苦諦》の効果でそれができなくなっています。

実際に、東北最12thでの、ハラニシさんの使う筑波ターボとの対戦はそういうものでした。
その時の対戦動画→D0東北最12th04 白青耐性vs筑波ターボ | Youtube
中央エリアに出た耐性ユニットよりも自軍エリアの除外を優先するという試合運びです。

このことから、相手には《苦諦》を投下させるか、除外するスクエアとして自軍ではなく中央か敵軍を選ばざるを得ない状況にしなければ効果的ではないといえます。

隊列召喚の効果で耐性ユニットを出す時期


このような考え方の変化があり、耐性ユニットは直接中央エリア以上に置けたほうが良いと考えるようになりました。
そのために採用を検討したのが隊列召喚の効果での展開です。

実は、先ほど貼った東北最のデッキには《大陸アルドのウンディーネ》が入っています。
D-0東北最12th 使用デッキと大会レポート
この時すでに隊列召喚の利用を検討していました。
時系列的には、

6月5日: ATKの配信でひつじさんの隊列デッキが使われる
6月9日: ひつじさんのブログで隊列デッキが公開される
6月11日: D-0東北最12th当日

ということで、1週間も無いくらいのところで採用を検討した結果、東北最には中途半端な感じでデッキに採用されたという感じです。

どの隊列召喚を使うか

利用する隊列召喚の候補としては、ビッグトライアングルの《塗装工アーニャ》、バックスラッシュの《大陸アルドのウンディーネ》、ビッグアイの《運搬工マディナ》がありました。
この中で、《マディナ》は出すユニットの色やコストの制限がないものの自軍エリアにしかユニットを出せないので採用理由に乏しいです。

《ウンディーネ》と《アーニャ》を比較した結果、東北最のデッキには5コスト以下しかいないこと、青のユニットも出せることから《ウンディーネ》を採用しました。
《ウンディーネ》のメリットは上記の他に、敵軍にユニットを出せる点もあります。
一方で不安要素としては、隊列条件にユニットが2体必要、効果で手札からしかユニットを出せないという2点です。

《アーニャ》のメリットは、隊列条件がユニット1体とベース2枚なので補給急襲デッキと相性が良い、プランからもユニットを出せるという2点(あと、自身が6500スマ2という点)。
不安要素は、白のユニットしか出せない点でした。
ATKの配信で意外と決まっていた印象もあり、上記のメリットも考慮した結果、関東最では《アーニャ》を採用して《マイア》を採用するなど有効利用しやすい構築に寄せることにしました。

そんなこんなで完成したのが、今回の関東最で使ったデッキです(この記事の一番上にあるやつ)。

隊列召喚の盤面展開のエネルギー効率の良さ


もう忘れ去られている頃でしょうが、この記事の最初にあげたビッグトライアングルの採用理由には、「耐性ユニットを中央エリアに出したい」の他に「隊列召喚の盤面展開のエネルギー効率の良さ」もあげていました。
エネルギー効率については当たり前の内容なのですが、せっかくなのでこのデッキに絡めて書き残しておきます。

単純に考えたD-0の強い動き

単純に考えるとD-0は、使うカードの枚数が多いほど、また、コストの大きい(強い)カードを使うほど、勝利に近くなります。
さらにD-0には盤面の要素もあるので、たくさんの強いカードを敵軍に近く置けるほど勝利に近くなります。
逆に、相手の使うカードが少なく、コストが小さく(弱く)、自軍(相手から見た敵軍)から遠いほど、相手が勝利から遠いので自分が勝利しやすくなります。

この考え方で現行のデッキを見るとどうなるのか。

筑波ターボの強い理由

現行で環境のトップであろう筑波ターボをこの考え方で見ると、エネルギーを増やす、プランを利用して使うカード枚数を増やす、増えたエネルギーでコストの大きい強いカードを使う、ということができるため強いです。
この筑波ターボに勝つためには、単純に考えて、同じようにたくさんのカードとコストの大きい強いカードを使わないと太刀打ち出来ないということです。

エネルギー効率を良くして強い動きをする

緑を使えば、エネルギーを増やすことでたくさんの高コストカードを使うことが出来ます。
一方でエネルギーを増やせない他の色はどうすれば良いのか?
その答えが、コストを踏み倒して、少ないエネルギーでも、たくさんの強いカードを使うというもの。それが、エネルギー効率が良いという動き。

今回使った白青デッキは、エネルギーは増やせませんが、ベースを貼ることで補給カードの使用コストが下がりエネルギー効率が上がっています。また、急襲により敵軍に近づく移動のためのエネルギー効率も上がります。
さらに、隊列召喚はエネルギー効率の良い動きの最たるものです。ビッグトライアングルが決まれば、1エネの支払いのみで中央エリアに5~7コス級のユニットが2体並びます。プレイコストだけでなく中央へ移動するコストも踏み倒せています。
これが、この白青デッキの強さだと思います。
逆に言えば、これくらいしないと筑波ターボの強さに匹敵できないと考えた末のデッキ構築だったとも。

一応注釈をつけておくと、これは単純に考えてのことです。実際の対戦では、相手の使うカードとの相性や、プレイング、カードの捲れ順などが絡み、もっと複雑になります。

まとめ


ということで、だいぶ長くなりましたが、この記事で書いたことは、
耐性デッキにビッグトライアングルを採用した理由として
「耐性ユニットを直接中央エリアに出したい」
「隊列召喚の盤面展開のエネルギー効率の良さ」
の2つがあったよ。
いろいろと真面目に考えた結果、ビッグトライアングルを採用することになったよ。ということでした。





余談


以前のデッキは相手に合わせて動く感じでデッキの一人回しが難しかったのですが、ビッグトライアングルを採用した後のデッキは、隊列を決める明確な目的ができたので、その道筋だけ確認するなら一人回しが楽になりました。妨害が無い想定なら6,7ターン目に隊列で盤面を埋められる事がほとんどだったので、実戦とは違うにしてもその動きができれば勝てそうと感じられたのは楽しかったですし。
ちなみに、4ターン目にどれくらいの確率で隊列ビッグトライアングルが決められるかの大雑把なシミュレーションをしていました。後攻だと約13%でしたが、エネに置く色を考えていないのでもう少し低いかも。ただ、これで1割の確率でどんなデッキでも倒せそうと思えたのは気分的に楽だったです。