自身の自作TCG製作が滞っている状態がずっと続いています。
最近思うのが、TCGを個人で作るのはなかなか難しいんじゃないかなということ。
そんな中でネットでTCGっぽいゲームやそれに関する記事などを読んでみると、TCGそのものではなく、「TCGの面白さを取り入れたボードゲーム」という形式でも十分面白いものができそうだなと感じました。そちらのほうが遊ぶためのハードルも低くなりそうだし。
この記事では、個人的に参考になったTCGっぽい2つの作品と、その製作者の考えが書かれている記事を紹介します。
一つ目は、TCGのデッキ構築の面白さにフォーカスした作品。
二つ目は、TCGのプレイ中の駆け引きにフォーカスした作品です。
それでは、一つ目のほうから。
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戦闘破壊学園ダンゲロス・ボードゲーム
TCGのデッキ構築の楽しさを組み込みつつ、お金や時間や労力がかかり過ぎないようにして、遊ぶハードルを下げたボードゲーム作品。
デッキ構築型のボードゲームは、ドミニオンを始めとしてたくさんありますが、この作品はもっとTCGっぽい世界観やカード効果(コンボとか)になっているようです。
どんなゲームなのか分かるリンクをいくつか貼っておきます。
【公式】戦闘破壊学園ダンゲロス・ボードゲーム
【ボードゲーム】3分で分かる! ダンゲロスボードゲーム
そして、特に読んでもらいたいのが下記のリンク。
作者自身が、どういう考えでダンゲロスボードゲームを作ったのかを書いた、制作ノートのような記事です。
カードゲームに抵抗のある作家が「ぽいもの」をつくってみた! 失敗しない5つの心得
記事からの引用↓
みなさん、トレーディング・カードゲームやってますか~~? おれはやってません!いや、決して嫌いなわけじゃないんですけどね。誘われたらMtG(Magic: The Gathering)のドラフトとか遊んだりもするんですけどね。ただ、ガチでやるには、ちょっと心理的抵抗感が強いっていうか……。
で、なんで抵抗感があるのか考えてみるに、結構、考えることが多いんですよね。
(中略)
「どんなデッキをつくるのか。どんな戦い方をするのか。それを考えてワクワクしてる時が一番楽しい」
TCGのそんなところだけ都合よく抽出してゲームをつくろうという試みです。
引用した文にも出ているように、TCGのハードルが高い理由としては、本気でやろうとするとカードを集めるためにお金がかかったり、ほぼすべてのカードを把握する必要があったりと、面白いけれども要求される労力も大きいというところです。
その点、ダンゲロスは各プレイヤーが事前にデッキを用意する必要がなく、ボードゲームの人セットで遊べます。また、デッキ構築の要素をゲーム中に組み込んでTCGの面白さ活かしています。
さらに、上記の記事でも紹介されていた興味深い部分として、使えるカードをゲーム中に取り合えるようにしたり、運要素を多めにすることで、TCGでは難しいことであった「カードパワーのバランスをとる」ことが必要なくなる点。むしろ、バランスを壊すカードやコンボがあったほうが面白くなるとも語っています。
TCGの面白さを再現するだけでなく、そのようなメリットも生まれるという点が興味深かったです。
きょうあくなまもの
二つ目は、TCGのプレイ中の駆け引きにフォーカスした作品。
2015春の新作『きょうあくなまもの』の紹介
『きょうあくなまもの』制作ノート
デッキ構築の要素は無く、二人のプレイヤーがカード種類の決まった一つのデッキを共有します。
上記リンクの「制作ノート」にもありますが、もともとはTCG元祖であるMtGでの駆け引きを16枚のデッキでミニマルに体験できるゲームを目指したものです。
ゲーム名にもなっている「きょうあくなまもの」を出して次ターンに攻撃すれば一発で勝ちという最初からクライマックス仕様。しかしながら、「きょうあくなまもの」は普通にはプレイできず「しょうかん」のカードとのコンボで出す必要があり、必要なカードを揃えるためにドローカードやサーチカードを使ったり、その準備をしている隙に「ひのたま」でプレイヤーに直接ダメージを与えれば勝てたり、それをさせないように相手の魔法をカウンターチップで打ち消したり、、、その打ち消しをさらに打ち消せたり、、、。
どうやってコンボを決めるか、相手のコンボを阻止して勝つか、そのTCGらしい駆け引きが16枚という少ない枚数のデッキだけでできるようになっています。
ゲームの準備の手間も、ゲーム時間も短いため、既存のTCGとくらべてかなり遊んでみるハードルが低くなっているように感じました。
それから、「TCGっぽいボードゲームをつくる」というと、まずは「デッキ構築」の要素を取り入れることが王道のように思われますが、その部分をバッサリと捨て去ってTCGらしいプレイ中の駆け引きだけに注目したのは斬新で良いなと思いました。
ということで、特に実際に遊んだわけではないのだけれど、TCGっぽさをボードゲームにしたものにはこんなものがあるのだなという、自分用のメモみたいな記事でした。