無料チケットを貰ったので、ルノワール展を見てきました。
ルノワール展 オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵|国立新美術館|2016年4月27日(水)〜8月22日(月)


半券とか買ってきたポストカードとかです。
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展示会の際にメモにとっていたことを書き残しておきます。

夜の宴 ジュール・シェレ

初っ端からルノワールではない絵ですが、個人的にすごく好みだったもの。
今風の絵という感じ。淡い色使いだけれども、全体的に明るくてカラフル。

狂気と陽気 ジュール・シェレ

同じく、ジュール・シェレの絵。
雰囲気的に、アニメ映画のポスターにありそうなPOPな感じ。これも淡いけれどカラフルな色使いで、寒色のキャラと暖色のキャラが映えていました。

田舎のダンス ピエール・ オーギュスト・ ルノワール

展覧会のメインのルノワール。ホームページのトップにも載っている絵で、上記のポストカードの左下の絵です。
ルノワールの奥さんとのダンスを描いた作品で、奥さんのアリーヌの表情が良いです。そして、左下で覗いている子供の存在感も良い。
この作品は、好みだったのでポストカードを買いましたが、買う時に「実物となんか違うな」感がありました。等身大に近い大きい絵ということもあってか、実物のほうがアリーヌの表情とか全体的な雰囲気とかの魅力がすごかったです。

ガブリエルとジャン ピエール・ オーギュスト・ ルノワール

ルノワールの従妹であるガブリエルと、ルノワールの息子のジャン(赤ちゃん)の絵です。
ポストカードだと下段の真ん中。
女性の優しい感じと赤ちゃんの柔らかい感じが絵のタッチから感じられて、すごくルノワールの画風とマッチしていると感じた絵です。この柔らかい感じで赤ちゃんを描いている絵は、写真よりもそのものの雰囲気をうまく表せているのではないかと思います。

ちなみに、途中の解説に書かれていたのですが、ルノワールとやりとりしていた画商の話では、ルノワールは家事手伝いに対して「光をしっかりと吸い込む肌」を一番に求めていたということらしいです。つまりは、家事手伝いとして雇うけど、一番の目的は絵のモデルということですね。そんなこんなで、件のガブリエルは光をしっかりと吸い込むらしく、よく絵のモデルになっていたとか。

ピアノを弾く少女たち ピエール・ オーギュスト・ ルノワール

これは、右下のポストカードの絵。
これも柔らかい感じと明るい感じがすごく感じられて、ルノワールの絵の中で一番ルノワールらしくて好きだなと思いました。
また、金髪の少女の、お嬢様結びの髪に青いリボンが映えるのが特に良いなと。

ルノワールの晩年の作品

ルノワールは、高齢になるとリウマチにより手がうまく動かせなくなっていたらしいです。晩年の作品について、解説では「ルーベンスといった巨匠に負けない作品」ということが書かれていましたが、個人の感想としては、粗さが出ていてルノワールらしいやわらかいタッチが無くなってしまったなと感じました。
個人的には、やはり晩年よりも前の作品のほうが好きです。



ということで、今回の展示会でルノワールがどのような作品を描く人なのかだいぶ感じられたと思います。そして、個人的にルノワールの作品は好きだなと思いました。
理由としては、神話や宗教画ではなく、あくまで日常の位置風景での女性や子供の優しい雰囲気を捉え続けたところが良いです。
また、画風についても、全体的に明るくて優しい雰囲気なのところが好みです。展示会によっては、暗い絵とか荒々しい絵もあるものなのですが、この展示会に限ってはほとんどそういうものはなく、明るく優しい雰囲気で満ちていたと感じました。
あとは、ルノワールのスタンスで、途中で習作を展示したコーナーがありました。印象派は一般的に下書きはあまりせずに描くらしいのですが、ルノワールは、下書きをして構図の研究なども多くやっていたらしいです。自身のことを「絵を描くという労働者」として、日々絵の鍛錬をしていたというスタンスがステキだなと思いました。


あとは、副産物ではありますが、同時に展示されていたジュール・シェレという画家を知れたのも良かったです。
最初に紹介した時に、「映画のポスターにありそう」と感想を書きましたが、調べてみたところ、実際にポスターの分野で有名な画家のようです。
ジュール・シェレ | Wikipedia
同じくポスターで有名なミュシャも好きなので、こういうのが自分の好みなのかもしれません。

最後に、この記事を書きながら買ってきたポストカードを眺めていたのですが、やっぱり実物を見たほうがいいですね!
実物とポストカードではぜんぜん違うなということをものすごく実感しています。むしろ、もう一度見に行っても良いかなとも思っています。何度も同じ絵を見に行くとか、同じ映画を映画館に観に行くとか、今まではよくわからない感覚でしたが、「実物とポストカード」「映画館とDVD」のような情報としては同じはずだけどリッチさが違うというのはあるんだなと実感しました。