「孤食ロボット」(岩岡ヒサエ)

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1巻から3巻まで読みました。現在は4巻まで出ているみたい。
ジャンル的にはグルメ漫画。

とある飲食店でポイントを貯めると、孤食ロボットがプレゼントされます。
単身者にだけプレゼントされるロボットで、プレゼントされた主人の食生活についてアドバイスをしてくれます。
ただ、いくつか面白い設定があります。

  • ロボットは体が小さいので料理をすることはできず、あくまで料理のアドバイスだけして料理をするのは主人自身。
  • ロボットの役割には飲食店の販促もあり、外食はその系列店を勧めたり、自炊のためにその会社の食材デリバリーサービスを使わせたり。
  • たまにロボットが勝手に高級食材のデリバリーやお弁当を注文したり。

人のためになんでもしてくれる奴隷的なロボットではなく、一緒に生活する中で食生活から人の行動を変えていくというロボットというのが特徴です。
また、お話は1回毎の読み切りで、20代の単身の社会人だったり高齢のひとり暮らしだったり様々な人が登場し、配属されるロボットの方もそれぞれ個性が異なるため、その組み合わせで毎回特徴の違うお話になっています。ひとり暮らしという悲しさの問題や、食生活の問題、主人それぞれが持っている問題を、ロボットの食アドバイスやロボットとの関わりからその問題がちょっと良い方向に向かうという話が多いです。
ちゃんとグルメ漫画なので、料理の一工夫だったり、料理を作ること、食べることの楽しさが伝わってきます。たまにはちょっと凝った料理もしてみたいなと思わず考えたりする要素もあります。
また、ロボットというもう一方の側面もあり、ちょっとSFっぽい要素もあります。料理のアドバイスをするけれどもロボットは食べられないので、「いつか食べてみたいな」とか言っていたり。漫画タイトルは「孤食ロボット」なのに、ロボットと言うと必ず「アンドロイドです!」と訂正してきたり。販売ノルマを達成できなかったり、主人に不利益を発生させたら回収されてデータを全消去というルールがあったり。過去の主人の記憶が残っているロボットが配属されてきたり。ロボット虐待の話があったり。でも、基本的にはシリアスではなく、気持ちよく読めるもので安心します。全体的な漫画の雰囲気もふんわかしていますし。

ちょっと小うるさいけれど、どこか憎めない。一緒に暮らしているうちに料理や食事、さらには生活全体がちょっと楽しくなる。
将来は、何から何までしてくれる味気ないロボットよりも、こういうちょっと面倒だけれど楽しくなるロボットが居てくれる世の中のほうが良いかなと思わせられる漫画です。