とある関係で冊子の表紙をデザインしたり、ロゴマークを作るということをたまにやっているのですがその際に思ったこと。

ロゴマークは作っただけでは不十分で、バリエーションがある場合はその使い方まで説明が必要

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このことに気付かされた経緯


まず、ロゴマークを作ります。依頼を受けたり自発的にだったりで。
ロゴをカラーで作成。場合によっては単色しか使えない印刷物もあるので、単色でも映えやすいような単色バリエーションも作成。
単色のものでも、白地などの明るめの背景に載せる場合と、暗めの背景に載せる場合があるので、それぞれ明るい背景用ロゴと暗い背景用ロゴを作成。

そうすると、

  • カラーロゴ
  • モノクロロゴ(明るい背景用)
  • モノクロロゴ(暗い背景用)

と3種もバリエーションができます。
自分が実際に作ったものは、さらに文字あり文字なし等たくさんのバリエーションが有りました。

たくさんのバリエーションがあるロゴを、「できました」って何の説明もなしにドサッと提出すると、受け取った側は何がなんだかわからなくなるんですよね。「たくさんあるけどコレとコレはどこが違うの?」という感じで。
そう言われて改めて自分でも考えたのです「このバリエーションはどういう場面で使われるために作ったんだっけ?」と。考えてみると、自分自身でもロゴの使われ方の想定ができていなかったなと思います。上記で記載した、「明るい背景用」「暗い背景用」というのも実はこういうことがあった後、改めて自分で整理したものです。最初のバージョンを作っている時は、ロゴの使われる場面を明確には意識できていませんでした。
作った本人ですらあやふやな状況では、できたロゴを渡されてWebページだったりグッズだったりに使う人も分かるわけがないです。そう思い、改めてロゴマークのバリエーションとしてどういうものが必要か整理し、どういう場面で使われることを想定したバリエーションなのかを使う人に伝える説明書も作成しました。
使い方の説明までやって初めて、「ロゴマークを作った」ことになるのだと思います。

使い方の説明書の内容


自分が、ロゴマークの使い方説明書でどんなことを書いたのか羅列していこうかと思います。
実際に自分が作った説明書のアウトラインはこんな感じ。
  • 説明書タイトル&概要(何種類あるか)
  • 各バリエーションの説明
    1. ロゴだけのもの
      • 1-1. カラー
      • 1-2. モノクロ(暗い背景用)
      • 1-3. モノクロ(明るい背景用)
    2. ロゴ+文字
      • 2-1. カラー+白文字
      • 2-2. カラー+黒文字
      • 2-3. モノクロ(暗い背景用)
      • 2-4. モノクロ(明るい背景用)

何種類のバリエーションがあるのか

まず、全部でいくつあるのか知っておいてもらう。
大きい分類

一段目の数字付きで分類している部分。大きく分けて「1. ロゴだけのもの」と「2. ロゴ+文字」があるよってことを伝える。
小さい分類

二段目の分類部分。「1-1. カラー」「1-2.モノクロ(暗い背景用)」などがあるよ。
ファイル名

ロゴのファイルと対応付けてもらうために。「1-1. カラー」は「logo_color.png」ですよ。
このバリエーションの説明

このロゴのバリエーションは、「暗色の背景や暗い写真の背景で使うことを想定したものです」ということを説明。
使用例の掲載

これがたぶんすごく重要。
文字だけの説明ではわかりづらいので、実際の使用例として図を並べています。例えば「1-2.モノクロ(暗い背景用)」だったら、
  • 「透明背景(市松模様)に載せたロゴ」
  • 「暗い色で塗りつぶした背景に載せたロゴ」
  • 「暗めの写真の背景に載せたロゴ」

というように。
説明で書いた場面を、実際に絵面でもわかるようにしたわけです。
あと、「透明背景(市松模様)に載せたロゴ」もけっこう重要。白い部分と透過部分のあるロゴだと、見る環境によってはどちらも白に見えてしまいます。どこが透過してどこが白い部分なのか明示的に分かるように。

この程度の分類と使用例があれば、使う側も場面に応じて何を使えばいいかすぐわかると思います。また、説明されている使用例のどれにも合わない場面だったら製作者に相談するとかの選択もしやすくなるだろうし。

ロゴの使用ガイドライン


いろいろと書いてきましたが、実はこれって当たり前のことなんですよね。ちゃんとした団体だと、団体のロゴマークを団体に所属する人が使う(名刺や冊子、グッズを作ったりする)際に、どういう風に使うべきかを示したガイドラインがあります。
「こういうことにしか使っちゃダメですよ」という使用範囲の説明とは別に、デザイン的な指針も詳しく書いてあります。たとえば、「ロゴの色は〇〇かXXで、これを勝手に変更して使っちゃダメですよ」とか「暗い背景に載せる時はこの色のロゴで」とか、「ロゴは〇〇mmのサイズ以上で使うように(それより小さくしてはダメ)」とか、「ロゴの周囲XXmmの範囲に他のデザインを入れちゃダメ」とか。
自分が今回の経緯でロゴの使用説明書が必要だと思ったのも、同時に冊子の表紙デザインをしていた際に、公式のロゴ使用ガイドラインを読んでいたからです。ちゃんとしたところだとガイドラインを作っているのだから、自分のアマチュア的なロゴ作成でも今回くらいの使用説明書は最低限必要だなと。
ちなみに、公式のロゴ使用ガイドラインを読む前に自分が行ったグッズのデザインは、ガイドラインで「やっちゃダメですよ」と書かれていたことをいくつかやらかしてしまっていました。ガイドラインを守ることは、ロゴのデザイナーの考えを尊重することでもありますし、ロゴの良さを損なわないためでもありますので、今後は気をつけていかないとですね。

ということで、ロゴマークを作った時には使い方まで説明が必要だと思った話とロゴの使用ガイドラインの話でした。アマチュア的に、所属している団体やグループのグッズやロゴをデザインしている人とかの参考に少しでもなれば幸いです。