先週、今週と土曜日の夕方に車で出かけていたのですが、その時にTokyo FMを聞きながら運転していたわけです。
その際にやっていたラジオ番組がすごく面白かったので紹介したいと思いました。

そのラジオ番組というのが「ピートのふしぎなガレージ」というもの。
毎週土曜日の17:00~17:50に Tokyo FM でやっている番組です(他の放送局についてはサイトを参照)。

設定としては、新一というごく一般的な主人公が、エヌ博士(ネーミングが星新一っぽい)という物知りの実は宇宙人らしい博士に連れられて、毎回異なるテーマの歴史やそのテーマで最近ホットな人の話を聞きに行くというお話。
ラジオドラマっぽいパートと、インタビューパートがあります。

ラジオドラマパートでは、主にそのテーマの過去の歴史を振り返っていくのですが、その振り返り方が、タイムマシンに乗ってその歴史の重要人物に会って話を聴くというスタイル。
ここのお話が実によく出来ていて、淡々と歴史を語るのではなくドラマっぽくその人物自身が感情を表しているので話を軽く聞ける感じになっています。

そして、ラジオドラマパートでそのテーマの歴史を知った上で訪れるのがインタビューパート。現在、そのテーマではどんなことが行われているのかというのを、その分野の専門家の方に聞いていくというものです。このインタビューは主人公の新一役の人がやっているのですが、ラジオドラマの演じている雰囲気とは異なる素の声の雰囲気になっているのがちょっと面白いです。
インタビュー対象の人はその分野の専門家ということもあって、純粋にすごいと驚かされる情報も多いです。

ちなみに、先週の土曜日のテーマは「けん玉」。
最近、ハワイのサーファーやスケートボーダーの間で流行している話や、けん玉の祖先がヨーロッパなど世界各国にあって、日本の江戸時代には輸入されてお座敷遊びになっていた歴史などなど。
インタビューパートでは、NON STYLEというお笑い芸人の石田さんが実はけん玉が得意で、「けん玉は練習を裏切らない」ということを語っていたり。エクストリームけん玉のNOBさんという方が、最近のけん玉の流行の理由について、「新しい技を作ってネットに動画を上げると、他の国の人までそれにチャレンジしてくれて、また他の人がそれにアレンジを加えて新技を上げてくる」というようなネット動画環境が流通したことによる独自の広がり方を語っていたり。けん玉で玉が剣に一度も刺さったことがないという新一さんに、けん玉の基本スタイルを教えて一発で玉を剣に刺すことに成功していたりしていました。
さらに、日本けん玉協会会長の話では、日本けん玉協会を発足したのが藤原一生という児童文学作家であることや、もしかめ選手権では8時間以上けん玉を続ける猛者が出るらしい話に驚きました。さらにその話で面白かったのが、あまり続けすぎると体にわるいからということで、小学生や高齢者には時間の上限が設けられていることや、ギネスブックでは、もしかめのけん玉の継続時間の記録更新をしないことになったことなど。8時間失敗せずにけん玉をし続けるという人間の集中力の恐ろしさを垣間見たような気がします。

ということで、歴史から現在の最新情報までの「けん玉」の話を聞いて、このラジオ番組だけでかなりけん玉の魅力に惹かれました。

さらに、今週の土曜日のテーマは「宇宙」でした。
これは少ししか聞けなかったのですが、宇宙エレベーターの話がすごく面白かったです。ロシアの科学者ツィオルコフスキーが何十年も前に構想していた宇宙エレベーターを、日本の企業が今実際に作ろうとしているらしいです。宇宙エレベーターの仕組みとしては、地表から10万kmの長さのケーブルを宇宙へと垂らすと、それが地球の自転と一緒に回転して遠心力が生まれ、ピンと張った状態になるというもの。そのピンと張ったケーブルの上をモノレールのように移動して宇宙と地表を行き来できるようになるという。さらに、ケーブルにかかる遠心力を使って宇宙に探査機などを飛ばすこともできるようになるので、いままでロケットで行っていたことの一部は宇宙エレベーターでできるようになるということ。
他には、小惑星探査機「はやぶさ」に関わっていた方の話で、実は日常で生活しているそこら中に、宇宙から降ってきた隕石の破片が転がっているらしいということ。一晩で10tもの物質が宇宙から降り注いでいるというのは純粋に驚きました。隕石って珍しいイメージですが、大気圏で粉々になったものは頻繁に降り注いでいるということらしいです。
そのような宇宙からの物質も地球上にたくさんある中で、なぜ小惑星から直接物質を採取する必要があったかというと、地球にかってに降り注いできたものは結局どこから来ているのかわからないから解析に使えないということらしいです。そこで、小惑星に行って直接物質を採取して、その小惑星の破片だと確実にわかっているものから調査を行う必要があるということでした。

長々と書いてきましたが、結局何がいいたいかというと、こんだけ書きたいことができるくらい密な情報を、楽しく聞いて得られるので、このラジオ番組は聞く価値があるということです。
ピートのふしぎなガレージ」のホームページには、各回の簡単なまとめ記事や、インタビューの一部のポッドキャストなどが掲載されているので、気になった方は見てみると面白いです。
また、実際にラジオを聞くのが一番おもしろいと思うので、上記のサイトで近場の放送局も放送していないかどうか調べて見て欲しいです。
ラジオを持っていない人でも、ネットのradiko.jpで聞けます。

ということで、オススメなラジオ番組の話でした。