年末頃に買った、switchのインディーズゲーム「Dicey Dungeons」。

サイコロをテーマにしたローグライクのデッキ構築ゲームというコンセプトがすごく自分好みだったので、思わず購入してみた。
ローグライクカードゲームは、1ゲームにちょっと時間がかかるものが多いけれども、Dicey Dungeonsはシンプル・ミニマルなので、短い時間でダンジョンに潜れる。手軽にローグライクのデッキ構築ゲームを試してみたい人にはオススメ。

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どんなゲームかは、ニンテンドーのIndieWorldでの紹介がわかりやすい。

ローグライクカードゲームの面白さ


ローグライクなデッキ構築カードゲームというと、自分も遊んだことがあるSlay the Spireが有名。
風来のシレンといったローグライクRPGのように、ランダム生成のダンジョンに潜って、ランダムに出てくるカードを取捨選択して、デッキを構築して敵を倒しながらダンジョンの最深部を目指すというゲーム。

そもそも、こういうタイプのゲームの面白さは何なのかというと、「ランダムなものをうまく料理する面白さ」を大局的にも局所的にもできるという点だと思っている。
ランダムなことが起こり、それをうまく扱って、コンボを作ったり最大打点を出したりする達成感を味わえる。
大局的には、ランダムにカードを拾って、取捨選択してうまくコンボが決められるデッキに仕上げていくという面白さがある。
局所的には、1回の戦闘で、ランダムにドローしたカードでどうコンボを組むかという面白さ。
本質的に同じ構造の面白さを、2段階で体験できるという形になっている。
Dicey Dungeonsは、この要素を楽しめるように徹底的にシンプルにしたという印象。

ミニマルなローグライクデッキ構築ゲーム


Slay the Spireは、面白いけれども1回ダンジョンに潜るだけでも1時間以上かかるものだった。
Dicey Dungeonsは5階層+ボス1体だけで終わるので、1回のゲームが気軽にできるという良さがある。

デッキ構築や戦闘もミニマル


一般的なデッキ構築カードゲームの場合は、デッキには10〜20枚くらいのカードが入っており、デッキからドローすることがランダム発生装置となる。

Dicey Dungeonsは、厳密にはカードゲームではなくサイコロを使ったゲーム。
Dicey Dungeonsの場合は、装備は最大6個と少ない。ただ、ゲーム中に振られるサイコロがランダム発生装置となる(実質、これがドローみたいなイメージ)ので、装備の数は少なくともカードゲーム並みにいろいろな状況が生まれる。
装備の数が少ないことでゲームが分かりやすくなっている。そうでありながら、状況の多様さや考える要素は、サイコロのランダム性があることでそこまで減っていないため、わかりやすさと奥深さのバランスが丁度いいと感じた。

さらに、デッキ構築に関して。
一般的なデッキ構築カードゲームだと、10〜20枚あるデッキに新しいカードを1枚加えても劇的に戦略が変わるということは少なく、少しずつシナジーのあるカードを加えていくことでデッキ全体の戦略を変えていくというものだった。つまり、ちょっと地味だったり変化がわかりづらかった。
Dicey Dungeonsは、装備を一つ変えれば、1/6が変わることになるので、戦い方にすごく影響がでる。変えてから1戦するだけで、自分の想定通りに動いてくれるのかどうかがすぐ分かるのである。デッキ構築に関しても、変化が分かりやすいという点は、こういうゲームの初心者やライトなプレイヤーからしたら遊びやすくて良いと思う。

このような点で、(自分は最近はそこまでガッツリとゲームする時間があるわけではないので、)ライトなプレイヤーにとっては、Dicey Dungeonsのシンプルさと分かりやすさがありがたいものになっている。

実質36種のルール


上記までは、一般的なローグライクデッキ構築カードゲームとの比較でいろいろと書いたけれども、ここからはDicey Dungeonsだけ見た時の個人的な印象。
イラストにインディーズ感があったり、主人公キャラたちがサイコロベースのデザインだったり、装備にはグラフィックが無くて名前だけ(ダガーとか凍結魔法とか)のシンプルさは自分好みだった。

特に驚いたのは、ゲームのエピソードによってルールが変わるということ。
6種類の主人公キャラたちがいて、キャラによってルールが変わる(サイコロ振り直しできるキャラや、ブラックジャックっぽいルールのキャラなど)。そこまでは予想できていた。
さらに、キャラごとに6つのエピソードがある。そのエピソードというのが、少し出現カードや敵が変わるくらいかなと思っていたら大間違いで、6種のキャラでのルール差と同じくらいルールが変わる。なので、自分の体感的には36種のルールで遊べるというイメージ。しかも、ルールがかわればゲーム画面とかインタフェースもちょっとずつ変わってくるので、それぞれのルールにあわせてゲームプログラムつくったのはすごいなと関心した。

ということで、36種ある中で、自分はまだまだ攻略できていないので、気が向いた時にちょっとずつ遊んでいこうかなと思う。