パソコンで遊べるデジタルカードゲーム「DUELYST」をやってみたので、その紹介だったり気になったところを書き置いておきます。
DUELYST ホームページ

DUELYSTとは?


The ULTIMATE collectible tactics game.
とホームページにあるように、デジタルのCCG(コレクタブルカードゲーム)と戦術シミュレーションゲームを合わせたゲームです。
ハースストーンのように、集めたカードから自分好みのデッキを作り、それを用いて対戦。デッキからカードをランダムに引くので、同じデッキを使ったとしても、試合ごとに引くカードによって取れる作戦が変わる面白さがあります。
そして、サモンナイトのように、盤面上に仲間を出して移動させて攻めに行きます。どう移動させるか、相手が逃げにくいように配置をしたり、自分の守りを固める配置にしたりと、盤面を使うゲーム特有の作戦を立てることになります。

DUELYSTは上記のような要素のあるゲームです。
ちなみに、現在のところ英語版しかないですが、カードの効果テキストくらいならちょっとなれれば読めるので問題無いでしょう。

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DUELYSTの基本ルール


勝利条件


相手のGeneral(将軍)のHealthを0にする。

カードの種類


General

将棋でいう王将のような存在。
これがやられたら敗北となる。
デッキに1枚。
最初から盤面にいる。
Attack(2)とHealth(25)を持ち、移動も攻撃することも可能。
General固有のBloodborn Spellというのを持っており(ハースストーンで言うヒーローパワー)、このSpellは手札を使わずに使用できる。
Minion (Unit)

盤面上に出せる兵士やモンスター。
自身のGeneralもしくはMinionと8近傍で隣接する何もいないマスに手札から召喚できる。
召喚にはマナを消費する。
AttackとHealthを持ち、移動も攻撃することも可能。

Spell

使い捨ての呪文。
使用時にはマナを消費する。
相手にダメージを与えたり、自分のMinionを強化したりなど様々。

Artifact

Generalにつけることができる装備品。
装備時にはマナを消費する。
Generalに追加能力を与える。
Generalがダメージを受けると耐久値が減少し、3回で壊れる。
Minionにはつけられない。

盤面


縦5マスx横9マスの盤面上で戦う。
先手のGeneralは左端、後手は右端にいる状態からスタート。
盤面上にはマナの置かれているマスが3マスあり(位置は固定)、そこに味方が乗るとそのターンに使えるマナが1マナ増える。一度とった後は、そこのマナが復活するということはない。
マナの3マスのうち真ん中のマスは、後手側に近い配置になっている。

カードの使用


Minionを出したりSpellを使ったりといったカードの使用にはマナを消費する。
マナのルールはハースストーンと同様で、カードのコスト分マナを消費し、次のターンにはマナ上限まで回復する。
General固有のBloodborn Spellの使用にもマナを消費する。

ターン


相手と交互にターンを行い、自分の行動はすべて自分ターン中に行う。
初期手札は5枚で開始時に2枚までマリガン可能。
毎ターン、上限が1マナ増え、マナが全回復する。
先手は2マナスタート。後手は3マナ。
マナ上限のMAXは9。
自分のターンの終了時に、デッキから1枚ドロー。
毎ターン1度だけReplaceが行える(手札1枚をデッキに戻して引き直し)。

移動と攻撃


GeneralやMinionは、1ターンに1度、盤面上を2マス(マンハッタン距離)まで移動できる。
GeneralやMinionは、1ターンに1度、盤面上で8近傍に隣接する敵に攻撃できる。
攻撃すると、攻撃した敵から反撃を受ける。攻撃と反撃は同時処理で(アニメーションは攻撃が先だが)、攻撃で敵のHealthを0にしたとしても、反撃を受けてから敵が死ぬという処理になる。
移動の後に攻撃をすることは可能。
攻撃の後に移動することは不可。
Minionは召喚されたターンにすぐに移動したり攻撃したりはできない。次のターンから行動可能。

デッキ構築


デッキは40枚(General1枚、他39枚)。
最初に6種の勢力のGeneralの中から1枚を選んでデッキ構築を始める。


同じ勢力でもGeneralが複数種おり、Generalによって使えるBloodborn Spell(ハースストーンで言うヒーローパワー)が異なる。
勢力によって使える専用カードがある。どの勢力でも使えるNeutralというカードもある。

ゲームモード



4種類のゲームモードがある。
Practice

CPUと対戦するモード。最初はこれで練習できる。
Season Ladder

対人戦のランクマッチ。
勝てばランクが上がる。
各月ごとにリセットされる。
Solo Challenges

一人用の詰将棋やパズルのようなモード。

決まった盤面が与えられ、そのターン中に相手のGeneralを倒す方法を考える。
The Gauntlet

ドラフトモード。
自分はまだやったことない。

個人的に気になったところ


毎ターンのReplace

Duelystでは、毎ターン、手札のいらないカード1枚をデッキのカードと入れ替えられるReplaceというルールが存在する。
ゲームの開始時にも手札を入れ替える(2枚)マリガンのルールもあるが、毎ターンのReplaceにより手札事故が起きにくくなっている。
運要素を少なくし戦略性を上げる良い手法だと思う。

防御的効果 Provoke(挑発)と盤面

ハースストーンでいうところの挑発(Taunt)が、DuelystではProvokeという能力として存在する。
Provokeを持ったMinionがいると、そのMinionと8近傍で隣接している敵はそのMinionしか攻撃目標にできなくなる。また、移動もできなくなる。
この点が盤面を使っているゲームとして大きく機能しており、どこにProvokeを置けば次のターン死なないか、などの考える要素となっている。
というのも、通常の状態では8近傍から攻撃を受けるので、Generalに絶対攻撃を受けさせないようにすることがけっこう難しいのである。周囲を自分のMinionで囲むくらいしないといけない。それが、Provokeがいることで、守りやすくしたり相手を足止めしながら遠くに逃げたりが可能になる。

遠距離移動と遠距離攻撃のシンプルさ

盤面を扱うゲームで必ず登場する効果は、遠距離移動と遠距離攻撃である。
Duelystでは、遠距離移動はFlying、遠距離攻撃はRangedという効果に対応する。
普通だと、通常の移動に加えて追加○マス移動のような効果をイメージするが、Duelystでは、「Flyingは盤面のどこでも移動可能」「Rangedは盤面のどこの敵にも攻撃可能」と、それだけで最大範囲になっている。
最初に見た時は、「こんなに大雑把でいいのか?」とも思ったが、やっているうちにこの0か100かだけしかない違いによって盤面をシンプルに理解できていると感じた。
「このMinionは追加○マスだからここまで移動すれば逃げれる」などのようにMinionの効果ごとに考えるような盤面よりも、「こいつはFlying持ちだからどこに逃げても攻撃される、このターンのうちに処理しないといけない」と問題がシンプルになっていたほうがやりやすいのだ。複雑さは他のところにもたくさんあるので、遠距離移動と遠距離攻撃の粒度はこれでちょうどいいなと思った。
ちなみに、RangedでRangedに攻撃すると、遠距離でも反撃を受けるので注意(これでプレイミスをしたことも)。

パズル(詰将棋)モードの面白さ

個人的に好きなのがパズル(詰将棋)モード。
Duelystをやり始めた頃は、このゲームモードで各能力の使い方を学べた。そういう意味ではチュートリアルの次の段階として良い役割をしていたと思う。
またゲームモードの他に、デイリークエストとしてもあるので、用意されているものを攻略しつくした後も1日一つ楽しむことができる。
難しいものも多いのでけっこうやりごたえがある。
これだけパズルが作れるのも、盤面を使った複雑性があるからなのかなと思ったり。

観戦モード

ゲームルールではなく、周辺環境の充実という点で感心したのが観戦モード。
まず、観戦モードのある場所が、デッキ構築やデイリークエスト、基本ゲームモード等の選択があるようなゲームホーム画面。何をしようにも一度は通るところにある。
そして、ゲームのプレイ配信をするTwitchと連動しており、TwitchでDuelystの配信をしている人がいる場合には、観戦モードの横に「配信中」が分かるように表示される。
これによって、ちょっと始めてみた程度の自分でさえ、「ちょっと見てみようかな」と思って配信を見に行き、「英語でプレイ配信してるけど、高いランクの人だからちょっと見ていてみよう」というところまでいった。
この、プレイから観戦への導線を確保しているのはゲームの周辺環境のデザインとしてよく出来ているなと思う。
ゲーム自体がけっこう頭をつかうので、ちょっと疲れて自分でプレイまではしたくないじょうたいでも、プレイ配信くらいなら見ようかなという気にもなるし。
また、配信が無いときでも、誰かの最新の対戦の記録が閲覧可能。

ドット絵とアニメーション

これは各人の好みではあるが、Duelystで盤面上にでているキャラクターはドット絵で描かれている点。さらに、待機時のアニメーションや攻撃モーションが用意されている。昔からある戦術シミュレーションの系譜のようなものをこのビジュアルから感じた。



ということで、Duelystの紹介でした。
そこまでガッツリとは遊んでいないけれども、おおまかにやってみて感じた特徴や面白さを載せてみました。
ちなみに、自分はSonghai(忍者っぽいやつ)のデッキを良く使っています。Rangedを遠くに逃がして遠距離攻撃をしながらGeneralの周りはProvokeでうまく守ったり、パワーアップや相手のProvokeを特殊移動で避けての奇襲など、撹乱型ビートダウンという感じで自分の性格に合っていて使っていて楽しいです。

DUELYST ホームページ

とりあえず、無料で遊べるので興味のある人は遊んでみてはと思います。

余談ですが、Duelystを起動していると負荷が高いのか自分のPCは排熱がすごいことになります。そういうところを見ると、スマホとか携帯端末への展開はできるのかな?と心配だったり。