2016年2月16日 深夜24:00から(日付的には17日),TBSラジオの「荻上チキ・Session-22~Midnight Session~」という番組で大森靖子さんがゲスト出演されていました.
僕が大森さんの出ているラジオを聞くのはかなり久しぶりで深夜にテンション上がっていました.

ちなみに,ラジオの録音は番組のサイトに掲載されていました.
2016年02月16日(火)大森靖子「大森靖子の世界」Session袋とじ
(番組中に流した曲はカットされているようです)

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内容は聞いて頂ければいいのですが,自分が聞きながらメモっていたこととか思っていたことを書き残しておきます.

歌詞の言葉選びについて,
パーソナリティの方の質問:


大森さん選ぶ言葉のインパクトと,選ぶ言葉が現在の言葉であること(抽象的なものではなく,その次代の具体的なもの.例えば,ポケベルとか,そのブームや時代が過ぎ去れば昔のものになってしまう言葉)について.

それに対して大森さんの回答:
(キーフレーズの列挙ですが)

自分と一緒に古くなっていけばいい
自分の生きてきたもの見てきたものを切り取って見せたい
瞬発力
言葉選び 長くではなく一分とかの短い時間での歌詞の繋がり
弾き語りでは情報量が少なくなるからインパクトの有る言葉を選び
自分がその時代の風俗資料になりたい

この大森さんの「今,ここにいること」を伝えたいってスタンスはカッコいいですね.
ちなみに,僕も前々から,このパーソナリティの方の指摘とほぼ同じ内容の,大森さんの歌詞の現在性というか,逆に言えばすぐ古くなってしまうような言葉を選んでいることについていろいろと考えていました.それに関して,1年くらい前から「大森靖子の歌詞と星新一のショートショートでの言葉選びに関する考察」を書こう書こうと思って後回しにしまくっていました.このことにも思い当たって,自分のスピード感の無さが対比されて,大森さんの言葉選びの話が重く残ります.


ちなみに,以前の大森さんのラジオでも話していましたが,大森さんが音楽を伝える手段として選んだ理由として,


絵の展示会,絵は伝えるのにも売れるのにも遅いぞってことに気づく
成功するのに30歳位までかかる
早く売れたかった,今を見て欲しかった
描いている時のどんどんとじていく感じ

という,伝える・世の中に出る速度を重視した選択としての音楽というのも,大森さんが今現在を大切にしているというのがわかります.一方で僕は・・・というやつですね.


道重さんについて&歌詞に自分の感情を入れるかについて


道重さんはロックミュージシャンなら27歳で死んでいるタイプの勢いでアイドルをやっている
人間らしさをラジオとか上手いところで出していってる

歌詞にはあまり自分の感情は入れたくない
一方で「絶対彼女」は自分の感情を入れまくった
かごちゃんに子供が生まれた時,自分の子供は女の子がいいなって思って歌った鼻歌
人の解釈によっては赤ちゃんではなくて自分が女の子らしくていいんだって思った人もいる
生まれ変わったら女の子になりたいって解釈の人も


僕が大森さんについて深読みというか,勝手に色々と自分に関連付けて考えているのと同じように,大森さんも道重さんに関してだいぶ深く考えているんだなって思います.
また,「絶対彼女」の歌詞の「絶対女の子がいいな」について,僕は最初は大森さんの理想の女の子像を歌っているのかと思っていて,大森さんが妊娠した時に「もしかしたら子供は女の子が欲しいのかな」って思っていました.ラジオで言っていたように,この歌の大元は「自分の子供だったら女の子がいい」ってことを歌っていた歌詞だったようですが,聞く人によって解釈が変わるというのが非常に面白いなと思いました.そこら辺も,受け手が勝手に解釈していくというスタンスが良いですね.ちなみに,大森さんの実際の赤ちゃんは男の子らしいですが,別に女の子じゃなくて残念というわけでも無いようです.他にも大森さんの「新宿」という曲の歌詞には「もしもいつか子供が生まれてもギターのほうが可愛いんだもん」ってのがあり,根本宗子さんとの舞台でも歌っていた(しかも,妊娠中!!)のですが,こういうのはドキッとしますね.そのままの意味で捉えれば,歌詞と大森さんの現在に矛盾がありますが,たぶんこれは矛盾ではない.大森さんは「変化」を受け入れて実行していける人なので,その当時はそう思って歌詞を書いたとしても,今現在の自分はそこから変化しているんだから矛盾はしていないということでしょう.


大森さんのイメージカラーのピンクについて


ピンクは自然界に少ない,手が届かないもの,自分が持ってはいけない,自尊心が少ない
絶対に自分が使ってはいけない色だと思っていた (初期は黒が多かったらしい)
自分の内側の肉,鶏肉,内側の色でもあるから見せられない,ハートもピンク,惹かれる
アイドルは人にハートを振りまく

ピンクは肉の色,人の内側の色 という発想がすごいです.こういうところを見ると哲学者かとか思います.



歌詞作りとファンについて

自分ではなく人のことを歌う(どうやっても自分の情念も入ってくる)
ブログを読み漁る,(青春を費やしている)アイドルのライブ
情報を開示して欲しかった
クラスの女の子の手紙を盗んで
考えていること,字,文字の使い方,
特に女子に,自分とどう違うのかが気になる,なんかきれいだなってのがある
ネットは覗いてもいいもの,積極的に開示している
アイドルのブログ
歌詞を作る際にインスパイアされる

ライブに来た人のtwitterをみる
ライブの後のtwitterでのライブの感想ではなく日常生活
その人の生活,どんな人が来てるんだろう,その後にどう変わったのか,というのを見たい

CD作りこんでいくのハマるとライブしなくなる心配
変わっていくのがいい
自分もファンに会いたい,ファンのファン

人に掴まれるポイント,こういう人が好き
キョドる人がすき
用意してきたことを用意してきたとおりにできない人が好き


この,大森さんの,自分の影響によるファンの変化を見ているって姿勢が良いですね.
「マジックミラー」ももろにコレですし.
明日,2月18日には大森さんのライブに行く予定なので,大森さん成分をたくさん取り込んで日常生活に還元していこうと思います.


同世代のアーティストについて


同年代のアーティスト
すべて失われた世代
上は自分の手で作ってきた世代,下は学ぶのがうまかく環境も安価だった世代
自分はちょうど谷間の世代
自分以外の同世代が少ないから自分が風俗資料になりたい
sekai no owariは歌詞に出てくるけど同世代感はない



New アルバムについて

本も出版してるよ
3/23 New アルバム 「東京ブラックホール」 『TOKYO BLACK HOLE』
重力波の音がお腹の中の子供の心音にそっくりで
死んだものが生まれるものとぶつかって
ゼロセンス 何が消えていってもなくならない 人間の芯の部分

「東京ブラックホール」って名前から重力波でブームが来ててラッキー→重力波の音がお腹の中の赤ちゃんの心音と似てる→死ぬものと生きるものがぶつかり合って・・・ってラジオで話している中でも思考の連鎖が飛躍していくのが大森さんらしいなっておもいます.


リスナーからのメッセージにも本質とか大森さんらしいキーワードがあり,
パーソナリティの方も大森さんに関して詳しくて,聞きたいなって思っていたところを質問してくれていたのでいい放送だったなって思います.

ちなみに,今日発売のNewシングル「愛してる.com / 劇的JOY! ビフォーアフター」もiTunesでダウンロードしたのでよく聞いています.

ということで,明日のライブが楽しみだ.